MotoGPイギリス決勝:クアルタラロ今季5勝目! エスパルガロ兄、意地の走りでアプリリアに初表彰台をプレゼント
MotoGP第12戦イギリスGPの決勝レースが行なわれた。優勝したのはヤマハのファビオ・クアルタラロだった。
Fabio Quartararo, Yamaha Factory Racing
Gold and Goose / Motorsport Images
MotoGP第12戦イギリスGPの決勝レースが行なわれ、ヤマハのファビオ・クアルタラロが今季5勝目を挙げた。
2020年は新型コロナウイルスの影響により中止となったイギリスGP。しかし今年は、シルバーストン・サーキットにMotoGPが2年ぶりに戻ってきた。
雨のイメージが強いシルバーストンも今週末は曇りと何とか天候は保たれた。決勝レースが行なわれた日曜日も曇りで、気温16℃、路面温度23℃のドライコンディションでレース開始を迎えた。
ポル・エスパルガロは、レプソル・ホンダ移籍後初のポールポジションを獲得。フロントロウからスタートした。今週末調子の良いドゥカティ勢のフランチェスコ・バニャイヤ、ポイントリーダーのファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)がその後を追った。
ホールショットを決めたのはそのポル・エスパルガロ、後ろにクアルタラロ、バニャイヤと続いた。
その直後、オープニングラップの9コーナーでは、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ)とホルヘ・マルティン(プラマック)が接触し転倒。マルティンはその後コースへ復帰するもリタイヤ。マルケスはレースに復帰できなかった。マルケスとしては、初日のFP1でも同じ場所で転倒をしており、鬼門とも言える9コーナーという形となった。
オープニングラップを終えた段階では、ポル・エスパルガロの後ろにアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)が続き、兄弟で1-2体制を形成した。
その後もポル・エスパルガロを先頭にレースが展開。しかし、5周目にしてクアルタラロが首位を奪うと、そのまま後続との差を広げていった。2番手に後退したポル・エスパルガロの後方には相変わらずアレイシ・エスパルガロが続き、バニャイヤ、ジョアン・ミル(スズキ)、アレックス・リンス(スズキ)、ジャック・ミラー(ドゥカティ)と縦長の2番手集団が形成されてレースは進んでいった。
8周目とレースも中盤に差し掛かる頃には、スズキ勢がポジションを上げていく。リンスはポル・エスパルガロを抜き、表彰台圏内に入った。そのリンスは12周目にアレイシ・エスパルガロも抜き、2番手に浮上する。
先頭を走るクアルタラロは10周目とレースの折り返し地点になる頃には、後続に3秒以上の差を築き、その差を維持して独走態勢を築き上げていく。
残り5周というところで2番手を争うリンス、アレイシ・エスパルガロ、ポル・エスパルガロの集団にミラーが追いつく。そして、ポル・エスパルガロがミスしたのを見逃さず、ミラーはすかさず4番手を奪い取った。
その後ポル・エスパルガロは集団から後退し、リンス、アレイシ・エスパルガロ、ミラーの3名で残る2枠の表彰台争いをする展開となっていった。
ミラーはアレイシ・エスパルガロも飲み込もうと、プレッシャーをかけた。そして最終ラップ、ミラーは遂にアレイシ・エスパルガロをパスするも、アレイシ・エスパルガロも意地でやり返し、3番手の座を守った。
クアルタラロはそのまま最後まで後続を近づけることなく、今季5勝目を達成。これでポイントランキングにおいても、2番手との差を62ポイントまで拡大し、首位の座を堅持することとなった。2位はリンス、3位はアレイシ・エスパルガロとなった。アプリリアにとっては嬉しい初の表彰台獲得である。ミラーは4位で、惜しくも表彰台を逃した。
5位はポル・エスパルガロ、6位はブラッド・ビンダー(KTM)となり、トップ6に全て異なるメーカーが並び、激戦となったレースを象徴する結果となった。
また中上貴晶(LCRホンダ)はレース中盤にポジションを上げるなど健闘するも、最後はペースを維持することが出来ず、13位まで後退した。
同じくレース中盤には8番手を走るなどトップ10圏内の走りをしていたバレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)も、結局は18位でのフィニッシュとなった。
今レース、シーズン途中でチームとの関係悪化により離脱したマーベリック・ビニャーレスの代わりにヤマハのマシンを走らせたカル・クラッチローは17位だった。
怪我の影響でレースを欠場中のフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)の代役として、Moto2から昇格参戦したジェイク・ディクソンは、MotoGPクラスのデビューレースを19位で終えた。
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