MotoGP、アメリカでの2戦目開催に意欲「対話はある」実現は2026年以降に

リバティ・メディアの買収承認まであと数ヵ月。MotoGPを運営するドルナ・スポーツは、アメリカでの2レース目開催に意欲を見せている。

Enea Bastianini, Ducati Team

Enea Bastianini, Ducati Team

写真:: Gold and Goose / Motorsport Images

 現在MotoGPアメリカGPは、オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で開催されているが、MotoGPのプロモーターを務めるドルナ・スポーツは、アメリカでの2レース目開催の可能性を積極的に模索している。

 ただ、アメリカでの2戦目が2025年のカレンダーに組み込まれる予定はなさそうだ。来季の暫定カレンダーは間もなく開催されるエミリア・ロマーニャGP直後に発表される予定で、2025年シーズンはタイ・ブリーラムのチャーン・インターナショナル・サーキットで開幕する。

 しかしドルナは2026年以降に関しては、オースティンでの開催に加えてアメリカ大陸でのレース2戦目をカレンダーに追加することを熱望している。

 ドルナのダン・ロッソモンドCOOはサンマリノGPの舞台であるミサノでmotorsport.comの取材に応じ、「対話があることは間違いない」と語った。

「このスポーツを開催したいという人々の関心はあるが、我々には非常に厳しい安全基準を設けており、どこでもレースができるというわけではない。アメリカでは、適切な市場でインパクトを与えることも必要だ」

「オースティンは国の中心部にあり、人気でクールな都市だ。我々としての条件をたくさんクリアしている」

Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images

 かつてグランプリを開催していたラグナ・セカでの実施は、サーキットのホモロゲーションで、MotoGP開催のためにFIMの最高基準を満たす必要がある上、地元住民による法的措置のため「おそらく今は実現不可能」だという。

 テネシー州の新しいサーキットであるフラットロック・モータースポーツ・パークも候補に挙がっていたが、このコースはまだMotoGP用に整備が行なわれていない。

「彼ら(フラットロック)は自らのクラブトラックに集中しており、クラブハウスを建てることに興味を持っているようなので、しばらく話をしていない」とロッソモンドCOOは言う。

 また2008年から2015年までMotoGPを開催していたインディアナポリス・モーター・スピードウェイも、ドルナが理想とする候補地から外れた。

「マイアミのようなエリアを我々とその市場にとって上手く機能させることが夢だが……今は完全に不可能だ」とロッソモンドCOOは語った。

 ドルナはMotoGPを世界的なエンターテインメントコンテンツに変えようと考えており、アメリカでの認知度拡大は同社にとっての優先事項となるはずだ。

 リバティ・メディアのドルナ買収は、独占禁止法(反トラスト法)の執行を担う取引委員会による全ての承認を経て11月末までに認可されるはずであり、MotoGPとリバティ・メディアとの共同作業は2025年中に活発化するだろう。

「アメリカは、商業パートナーにとって多くの経済的決定を左右する重要な焦点だ。我々のパートナーは『いつアメリカで2戦目が開催されるのか?』と尋ねてくるが、我々はカレンダーのバランスを調整する必要もある」とロッソモンドCOOは語った。

 2025年のMotoGPはタイ色が強くなる。開幕戦に先立ちプレシーズンテスト2回目がブリーラムで開催されるだけでなく、ドルナはバンコクで大規模なキックオフイベントを計画している。

「(タイは)巨大な2輪市場だ」とロッソモンドCOOは言う。

「我々はバンコクという街が大好きで、そこでのイベント前のプレゼンテーションというアイデアも気に入っている」

 

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