MotoGP、”フロント”ライドハイトデバイスを2023年から禁止へ。スタート時のみ許可
MotoGPは2023年以降、安全性への懸念からライドハイトデバイスの禁止を決定。ただ、スタート時のホールショットデバイスは今後も許される。
ライドハイトデバイス……ドゥカティが2018年末から導入し始め、今では各メーカーが開発しマシンに装備しているこのシステムが、2023年以降は禁止されることになった。
このデバイスの導入が始まった当初のスタイルは、スタート時にリヤサスペンションを縮めておくことで、加速改善を目的としたモノ(いわゆるホールショットデバイス)だった。しかしドゥカティはその開発をさらに推し進め、2019年にはスタート以外でもこのデバイスを活用し始めた。コーナー出口でリヤを沈め、加速改善を狙うようになったのだ。そしてこれは、ライドハイトデバイスやライドハイトアジャスターといった呼ばれ方で各チームに広がりを見せた。
2022年のプレシーズンテストからは、ドゥカティがフロント側にもレース中に使用可能なデバイスを装備し始めていた。
ライドハイトデバイスの開発競争が続く中、安全性についても以前から議論されてきた。そして開幕戦カタールGPでは、一連のデバイスに対して禁止を目指す動きが強まった。
参戦6メーカーによる会合では、フロント側のライドハイトデバイスに関する規制が話し合われ、5メーカーが禁止に賛成したという。もちろん、反対したのは開発に注力してきたドゥカティだ。
そしてグランプリコミッションの会議の結果、2023年以降マシン走行中のフロントライドハイトデバイスの使用禁止が決定された。なおスタート時の”ホールショット”デバイス使用は許可される。
グランプリコミッションからの声明には、次のように記されている。
「2022年3月4日に開催された当コミッションの会合に置いて、グランプリコミッションはこの問題に関する2つの代替案を検討するよう求められた」
「どちらも、さらなる性能向上と開発コストの増加を防ぐことを目的としていた」
「提案を検討した後、以下の規則が満場一致で承認された」
『モーターサイクルの走行中にモーターサイクルのフロント車高を変更または調整する装置の使用は禁止される』
『何をもってフロントライドハイトデバイスとするかは、テクニカルディレクターの判断が最終決定となる。レーススタート時にワンショットでのみ動作するデバイス(ホールショットデバイス)は許可される』
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