MotoGPカタルニア決勝:マルケス独走、今季4勝目! ヤマハファクトリーはクラッシュに泣く
MotoGP第7戦カタルニアGPの決勝が行われ、マルク・マルケスが今季4勝目を果たした。中上貴晶は8位入賞となった。
Marc Marquez, Repsol Honda Team
Gold and Goose / Motorsport Images
MotoGP第7戦カタルニアGPの決勝レースが行われ、レプソル・ホンダのマルク・マルケスが今季4勝目を果たした。
カタルニアGPでポールポジションを獲得したのはルーキーのファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハ)。今シーズン2度目のポール獲得から最年少優勝を目指す。
2番グリッドには地元のマルケスが入った。3番グリッドはマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)がペナルティにより降格した関係で、フランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハ)が繰り上がった。
またセカンドロウまでにヤマハ勢が4台入ってきており、4番グリッドのバレンティーノ・ロッシ、6番グリッドのビニャーレスも含め、ヤマハの今季初優勝を果たす大きなチャンスであると言えた。中上貴晶(LCRホンダ)は16番グリッドスタートだった。
様々な期待が渦巻くMotoGPクラス決勝は、気温26℃、路面温度51℃のコンディションのもとスタート時刻を迎えた。
良い蹴り出しを見せたのはアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)。ホールショットを奪うとそこにマルケス、クアルタラロ、ビニャーレスが続いた。マルケスはターン3でワイドに膨らんで3番手に落ちると、その後ろ4番手には10番グリッドスタートのホルヘ・ロレンソ(レプソル・ホンダ)がジャンプアップして食らいついた。
なお中上はスタートでふたつポジションをあげて14番手とした。
マルケスは2周目のターン1で2番手のビニャーレスを交わしてドヴィツィオーゾを追う。
そして、ターン10でロッシ、ロレンソ、ビニャーレス、ドヴィツィオーゾら4名の多重クラッシュが発生。ロレンソがインを突いたところでフロントのグリップを失い、そこに各車が巻き込まれる形でのクラッシュだった。4名とも残念ながらリタイアに終わってしまった。
ロッシ、ビニャーレス、ドヴィツィオーゾらはピットに戻るが、不服そうな表情でレースを見守った。
これでトップのマルケスは独走状態に。2番手はダニーロ・ペトルッチ(ドゥカティ)、3番手にアレックス・リンス(スズキ)、4番手にクアルタラロという隊列で続いた。
マルケスはファステストラップを刻む走りで逃げの一手をうち、4周目には2番手ペトルッチに2秒以上の差を築く。
2番手集団では、リンスとクアルタラロによるポジション争いが展開されていった。6周目のターン1でリンスがクアルタラロをかわして3番手に浮上。そのままペトルッチを追いかける。リンスはホームストレートでペトルッチに並ぶが、オーバーテイクには足らず、ピタリと後ろにつけたままターン1を回る。
また、後方ではフランチェスコ・バニャイヤ(プラマック)がターン5でクラッシュ。リタイアとなった。
9周目、遂にリンスがペトルッチに仕掛ける。ターン1で前に出るが、クロスラインでペトルッチが抜き返してイーブンに戻す。リンスは3番手のポジションをキープしながら前を伺うが、なかなかオーバーテイクには至らない。
11周目、つい先程の周回の再現のようにターン1でリンスが仕掛け、それをペトルッチがいなすというシーンが展開される。
残り11周、リンスがターン4でインにつけると、ペトルッチと接触しつつも前に出て2番手に浮上。ペトルッチは接触でリズムを崩したか、リンスに若干のギャップを作ることを許してしまった。
また3番手のクアルタラロにジャック・ミラー(プラマック)、ジョアン・ミル(スズキ)のふたりが追いすがる。
残り9周の時点で、トップのマルケスは後方に5秒以上のギャップを築いており、盤石の独走体制を築く。また、中上とポジションを争っていたモルビデリがターン7で転倒を喫した。
残り8周、ペトルッチがリンスをホームストレートでパスして2番手を取り戻す。そして次の周、リンスがターン1にハードブレーキングで突入すると、マシンがバランスを崩して転倒しそうになった。リンスはなんとかコントロールを取り戻したが、コースオフは避けられず、順位を落とした。このアクシデントの直後、クアルタラロがペトルッチを追い抜き、2番手に浮上した。
4番手ミラーを追い抜こうとしていたカル・クラッチロー(LCRホンダ)は、ターン4を曲がりきれずグラベルへ突っ込んでしまい、転倒を喫してそのままリタイアとなった。
残り周回数は4周となり、2番手を走るクアルタラロが3番手ペトルッチに0.6秒ほどの差をつけ、初の表彰台獲得に向けひた走る。前を行くマルケスは若干ペースを落としたものの、それでも3秒以上の差を維持した。
マルケスは独走状態のままラストラップに突入し、危なげない走りでトップでチェッカーを受け今季4勝目を挙げた。Moto2クラスでの弟アレックス・マルケス(EG 0,0 Marc VDS)の優勝と合わせ、兄弟で地元GPアベック優勝を達成した格好だ。
マルケスはライバル陣の転倒リタイアもあり、チャンピオンシップで2位ドヴィツィオーゾに37ポイントのリードを築いた。
2位はクアルタラロ。ルーキーながら粘り強い走りを見せ、MotoGP初表彰台を獲得した。3位はペトルッチ。3戦連続の表彰台獲得となり、ファクトリーライダーとしての実力を示した。
途中2位を走行していたリンスは、自身のミスもあり4位フィニッシュとなった。
最終的に完走13台と厳しいサバイバルレースとなったが、中上はしっかりと乗り切って8位入賞を果たした。
MotoGP第7戦カタルニアGP 決勝レース結果
順位 | ライダー | 周回数 | タイム | 差 | 前車との差 | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | マルク マルケス | 24 | - | 25 | ||
2 | ファビオ クアルタラロ | 24 | 2.660 | 2.660 | 2.660 | 20 |
3 | ダニーロ ペトルッチ | 24 | 4.537 | 4.537 | 1.877 | 16 |
4 | アレックス リンス | 24 | 6.602 | 6.602 | 2.065 | 13 |
5 | ジャック ミラー | 24 | 6.870 | 6.870 | 0.268 | 11 |
6 | ジョアン ミル | 24 | 7.040 | 7.040 | 0.170 | 10 |
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