新王者クアルタラロは珍しい”良い人”チャンピオン? ヤマハボス「敵を作らないのが良い評判の秘訣」
ヤマハのマネージングディレクターであるリン・ジャービスは、MotoGP新王者のファビオ・クアルタラロは”敵を探していない”ことから、ライバルからも評判がいいのだと語った。
2021年のMotoGPはヤマハのファビオ・クアルタラロが初のチャンピオンを獲得。ヤマハに2015年のホルヘ・ロレンソ以来となる王座をもたらした。
クアルタラロは2021年シーズンに5勝を記録。バレンティーノ・ロッシの後任として求められたチャンピオン獲得を見事に成し遂げた形だ。
この若き新王者は、ファンから人気があるのみだけではなく、同業者……コース上で競い合うライバル達からも評価が高く、悪評は少ない。実際、ロッシやホルヘ・ロレンソ、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ)といったこれまでのチャンピオンは強烈なライバル関係を築いており口撃も絶えなかったが、クアルタラロに関してそれはあまり当てはまらないと言えるだろう。
ヤマハのマネージングディレクターを務めるリン・ジャービスは、motorsport.comの取材に対して、クアルタラロのパーソナリティが『強みのひとつ』だとコメント。モチベーションを上げるために敵を探す必要がないため、ライバルからも評価が高いのだと語った。
「彼はとても良いヤツだが、とにかく速く走るための能力を備えているし、必要な時、オーバーテイクをしなければならない時には、アグレッシブになることもできる」
「常にチームに多くのポジティブさをもたらしてくれている。この世界にはベストパフォーマンスを引き出すために、敵を必要として、敵を倒そうとするライダーもいるが、ファビオはそうしたライダーではない」
「彼は”敵”を探してはいないんだ。もちろんライバルと競いはするがね。ファビオが他のライダーから好意を持たれているとすれば、それは彼がそういった敵を作る必要がないからだ」
ジャービスはそうしたクアルタラロの”性質”がMotoGP全体にとってポジティブなものだと付け加え、さらに個人としても最も仕事をしやすいライダーだと話している。
「こうしたパーソナリティや信念を持ったチャンピオンの存在というのは、MotoGP自体にとって良いことだと思う」
「それは容易いことではない。これを維持できれば、我々は”ポスト・ロッシ”時代を間違いなく上手くやれるだろう」
「私もキャリアを通じて何人ものライダーと仕事をしてきたが、扱いやすいライダーもいれば扱いにくいライダーもいた」
「そして、良い人というのは大抵は勝てないものだ」
「そういった意味で、ファビオは私にとって最も仕事のしやすかったチャンピオンだ」
クアルタラロとヤマハの契約は2022年末までとなっており、2023年以降の契約はまだ未定だ。クアルタラロは契約延長について、2022年2月のプレシーズンテストで新型マシンを走らせ、その進歩を確認するまで契約にサインすることはないと語っている。
新世代の王者には他チームも食指を伸ばしていると見られており、ヤマハがクアルタラロを確保し続けられるかという点にも来年は注目が集まりそうだ。
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