MotoGPコラム:ルーキー勢は“当たり年”。次の飛躍はスズキのジョアン・ミル?

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MotoGPコラム:ルーキー勢は“当たり年”。次の飛躍はスズキのジョアン・ミル?
執筆:
2019/07/10 10:43

今季はMotoGPルーキーの活躍が著しい。マルク・マルケスの最年少PPを破ったクアルタラロを筆頭に、スズキのミルも着実に上位へ顔を出している状況だ。シーズン折返しの今、ルーキーたちの戦いを振り返った。

 シーズン開幕前の当コラムで、2019年のルーキーは逸材揃いであることを記したが、全19戦の折り返し地点を迎えた現在、その予想が正しかったことは彼らの成績がしっかりと証明をしてくれている。

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 ファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハ)の抜きん出た才能は、第4戦スペインGPでポールポジションを獲ったことで早々に明らかになった。カタルニアGPとオランダGPでも2戦連続してポールポジションを獲得し、しかもこの両レースでは2位と3位の表彰台を獲得。今回のドイツGPでは、〈キング・オブ・ザ・リンク〉ことマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)に僅差でポールを譲ったものの、予選最後まで緊迫したタイムアタックが続き、2番グリッドからのスタートになった。

 決勝は残念ながらオープニングラップで転倒し、5戦ぶりのノーポイントレースになったが、前半戦を振り返ったクアルタラッロは「上出来だと思う。ヘレスからかなり進歩をできた」と述べた。

「5戦でフロントローを獲り、そのうちの3回がポールポジション。表彰台も獲得できたし、とても良い前半戦だったと思う」とクアルタラロはシーズン前半を評価した。

■上り調子のミル。後半戦に期待

 ジョアン・ミル(スズキ)は、プレシーズンから序盤戦にかけ、目立たない内容の走りが続いた。だが、2017年にMoto3クラスのチャンピオンを獲得し、翌年にMoto2を1年だけ経験して最高峰へスピード昇格してきた逸材だけあって学習能力は高く、カタルニアGP以後は目に見えて好内容のレースが続くようになった。

 今回のドイツGPでも7位でチェッカーフラッグを受け、3戦連続してシングルフィニッシュ。しかも、それらのレースでは上位グループについて走る場面がたびたび見られたことも、今後のさらなる飛躍に大きな期待を抱かせる。

 ミルはシーズン前半戦での自らのパフォーマンスについて「勉強するレースもあったし、ルーキーミステイクもあった。でも、この数戦は上位を狙って強さを発揮し、良い結果を残せている」と、確実に自信を深めている口調で話した。

 では、この前半戦で大きく学んだことは何なのだろう。そう彼に訊ねると、「制御とタイヤ」と即答した。

「アルゼンチンはタイヤに問題を抱えてしまってリタイアしたけど、今ではスムーズな加速ができるようになった。自分もどんどん成長しているし、チームも僕のライディングスタイルを理解してくれて、そのおかげで良い結果を出せるようになってきた」

 また、当初はセットアップやライディングの面で、先輩ライダーのアレックス・リンスに倣いながら順応をしてきたが、今後は自分独自の方向性を探求していく、とも述べた。

「乗り方が違うから、最終的には自分の方向性を進めていかなければならないので、今はそれに取り組んでいるところ。そういう取り組みをできるくらいの経験を積んできた、ということだと思う」と、後半戦はさらに貪欲にステップアップしていく意欲も見せた。

■Moto2チャンプは適応の時間?

 2019年のルーキーは他に2名。ペコことフランチェスコ・バニャイヤ(プラマック)は昨年のMoto2チャンピオンで、バレンティーノ・ロッシのVR46アカデミー出身選手だが、ドゥカティの特性習得にやや苦戦している様子だ。確かに、ヤマハやスズキと比較した場合、ルーキーがドゥカティの乗り方を身につけるまでには多少の時間がかかるのかもしれない。

 それはKTMについても同様で、ミゲル・オリベイラ(テック3)もポイント圏内でゴールできるかどうか、というレースが続いている。だが、クセの強いマシンでもここまで地道に得点を重ねて、ファクトリーライダー(ヨハン・ザルコ)と1点差の15ポイントに至っていることは、充分に評価の対象とみなされてしかるべきだろう。

 シーズン後半戦は、彼らルーキー勢がさらに大きく成長していく様子にも注目すると、レースを観戦する面白味がいっそう増すのではないかと思うのだが、いかがだろうか。

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シリーズ MotoGP
執筆者 西村 章
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