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MotoGPコラム:“不屈の精神”を見せた中上貴晶。多くの人を魅了した走りに迫る

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MotoGPコラム:“不屈の精神”を見せた中上貴晶。多くの人を魅了した走りに迫る
執筆:
2019/07/09 10:41

第9戦ドイツGPは怪我のため苦しい1戦となった中上貴晶。しかしその気迫溢れる走りには多くの人が心を震わせたことだろう。その奮闘、3日間の軌跡を振り返った。

 スポーツは、予想もつかないドラマチックな展開や選手の華々しい活躍が、多くのファンを魅了する。だが、スポーツはときに、アスリートの強靱な意志の力が人々に大きな感動を与える場合もある。第9戦ドイツGPで中上貴晶(LCRホンダ)の見せた〈TRUE GRIT(不屈の精神)〉は、まさにその象徴的な例と言えるだろう。

 一週間前の第8戦オランダGPで、中上は他選手の転倒に巻き込まれる格好でハイスピードクラッシュを喫した。手術が必要なほどのケガには至らなかったものの、左足首の靱帯を傷めてしまい、軽快する時間的な余裕もないまま2週連戦のドイツGPを迎えた。

 戦いの舞台となるザクセンリンクは、反時計回りの形状で13コーナーのうち10個が左コーナーという極端なコース構成になっている。左足を傷めている中上にとっては辛いレイアウトだ。

■悪化するコンディション、しかし

 走行が始まる前の木曜段階では、負傷した左側をかばうぎこちない様子ながらも自力で歩くことはまだ可能な様子だったが、金曜の午前と午後に2回のフリープラクティスを終えた夕刻には痛みは強くなっている様子で、「走っているときは、痛みがあってもアドレナリンが出ているからいいけど、セッション後は厳しいですね」と苦笑した。

 この日のタイムはトップから1.024秒差の15番手。

「FP2の前に痛み止めを飲んだのですが、あまり効果がなかったので、明日は違う痛み止めを摂ったほうがいいのかどうか、(クリニカモビレの)ドクターと相談して決めます。一番強い(鎮痛効果がある)注射は、決勝まで取っておくつもりです」

 この状態では決勝の30周を最後まで走りきれるかどうか不安を感じる、とも話したが、たしかにピットボックスへ戻ってきてヘルメットを脱いだときの汗まみれの顔は、暑さというよりもむしろ痛みを堪える脂汗のようにも見えた。

 土曜午前に3回目のフリー走行を終えたときは、ピット前でバイクを停めると、両脇をチームスタッフに支えてもらってボックス内のチェアへそろそろと移動するのがやっと、という状態。走行するたびに傷めた左足首を酷使せざるを得ず、タイム順で振り分けられた午後の予選Q1は、最後尾に近い場所で予選落ちしない程度のタイムを出すのがせいぜいだろう、とも思えた。

 だが、そのQ1では終盤に2番手タイムを出し、上位ライダーで争うQ2に進出した。このセッションでは、バイクを降りて杖を使いながらチェアまで歩く様子が国際映像でも大きくフィーチュアされた。Q2のタイムは10番手。翌日の決勝は、4列目からのスタートになった。

 この日、1日の走行を終えた中上は「ここまでの痛みで走ったことがないので、厳しいですね」と話した。「FP3が始まって30分くらいした頃から痛みがひどくなってきて、動きは問題ないけど踏ん張れないんですよ。ステップにちょっとでも足が触れると、痛みが強くて踏ん張れない。そこからですね、いきなり厳しくなったのは。FP4は注射を打って臨んだので良くなるかと思ったけど、まったく無理で、しかもテーピングで足首を固めていたのでシフトダウンが全然できなくて、その時はじめて『今週は、無理かもしれないな……』と思いました。でも、テーピングをはずしてみたら、痛みはあるものの動かすことができて走れたので『これならもう一回頑張れるな』と乗り越えることが出来ました」

■強靭な精神で30周を完走した中上

 日曜午後2時にスタートした決勝レースは、10番グリッドスタートからポジションを落とし、14番手前後での周回を重ねた。トップを独走するマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)とはラップタイムでも1秒以上のペース差だったが、終盤の25周目あたりになると、さらに大きくペースを落とした。やはり痛みが厳しいのかと思いきや、レース後に話を聞いてみると、リヤタイヤ左側のコンパウンドが消耗したためだったという。

「午前のウォームアップ前と決勝前に(鎮痛用の)注射を打って、劇的な変化はなかったものの走り終えることができたから、効果はあったんだと思います。昨日の段階では、30周なんて100パーセント無理と思っていたので、力が無い中でもなんとか走り切れたのは、唯一良かった点ですね」とレースを振り返った。

「左コーナーが続くセクター2は、踏ん張れないし、ポジションを変えられないくらい同じ角度でずっとバイクが寝ているので、それがキツかったですね。(左コーナーの連続から坂を登って右に切り返して一気に下る)11コーナーも、踏ん張れないので厳しかったです。いつもと違ってステップワークをできないので、どうしても動作にちょっとした遅れが出てしまい、ずっとしっくりこない印象がありました。でも、与えられた状況の中でレースをして、今後に向けてデータも取れたのは良かったと思います」

 今までのレーシングキャリアで、ここまでの痛みを抱えてレースをした経験はあったのか、と訊ねてみると「ケガをして手術直後にレースをしたことは今までにもありましたけど、手術はやってしまえばその後は痛みがないので、今回に限っては、正直なところ痛みは非常にキツかったですね」と苦笑まじりの言葉が返ってきた。

 世界最高峰クラスを走る選手は、やはり世界最高峰の強靱な精神力を備えている、と感じさせた3日間だった。

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中上貴晶(LCRホンダ)Nakagami Takaaki

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Photo by: Team LCR

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この記事について

シリーズ MotoGP
イベント 第9戦ドイツGP
ドライバー 中上 貴晶
執筆者 西村 章