MotoGPコラム:ヤマハ復活は近い? 見えてきたペトロナスとの二人三脚

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MotoGPコラム:ヤマハ復活は近い? 見えてきたペトロナスとの二人三脚
執筆:
2019/02/08 3:01

セパンテスト2日目はマーベリック・ビニャーレスが好タイムを記録し、ヤマハの復活を示唆していた。大きく体勢を変えて挑むヤマハに期待が持てそうだ。

 2018年は苦戦を強いられたヤマハ陣営だが、捲土重来を期す2019年は4年ぶりの王座を奪還を目指し心機一転、といったポジティブな雰囲気に満ちたプレシーズンテストになっている。

 ファクトリーチームは、以前からアナウンスされていたとおり今季からタイトルスポンサーが変更し、2019年シーズンの名称はMonster Energy Yamaha MotoGPとなっている。ライダーのマーヴェリック・ヴィニャーレスとバレンティーノ・ロッシは、それぞれテスト2日目の走行でトップタイムと6番手、と上々の順位。特にヴィニャーレスは、昨年のセパンテストの際にホルヘ・ロレンソがドゥカティで記録した非公式最速タイムに0.067秒差まで迫る高水準の内容だった。

「1分58秒台を出せるとは思っていなかった」と素直に喜びを見せる反面、「加速面ではまだ課題がある。フルタンクの状態でどれだけ走れるのかは、明日20ラップのレースシミュレーションをすればだいぶ見えてくるだろう」と、落ち着いた口調で語った。ロッシも、ユーズドタイヤでのパフォーマンス改善に前進があり、ポジティブな1日になった、とテスト2日目の走行を振り返った。

 サテライトチームのPETRONAS YAMAHA SRTは、ルーキーのファビオ・クアルタラロがヴィニャーレスから1.211秒差の2分00秒108で14番手。最高峰2年目でホンダから移籍してきたフランコ・モルビデッリが、チームメイトと0.043秒差の15番手だった。

 ヤマハ陣営のサテライトチームに対するマネージメントは、前年のファクトリースペック、つまり1シーズン型落ちの仕様を供給することが通例だった。しかし、今年は前年までのサテライトチームであるテック3がKTM陣営へ移籍し、マレーシアの燃油企業ペトロナスをメインスポンサーとするこのチームが設立されたことに伴い、サテライトチームにも最新型のマシンが供給されることになった。

 Tech3の場合は、チームマネージャーのエルベ・ポンシャラル以下、自分たち独自のスタッフでレースを切り盛りする、文字どおりの独立チームだ。PETRONAS YAMAHA SRTの場合は、セパンサーキットのCEO、ラズラン・ラザリがチームプリンシパルに就き、Moto2、Moto3クラスでPetronas Sprinta Racingチームを運営してきたヨハン・スティーグフェルトがディレクターとして活動する、こちらも完全自前の独立チームだが、チームマネージャーにはヤマハファクトリーチームに深く関わってきたウィルコ・ズィーレンバーグが就任している。

 この事実を見れば、ファクトリーとの結びつきは昨年よりも強くなっていることが容易に窺える。両ライダーに供給されるバイクが、サテライトとはいえ2019年仕様になったのは、マレーシア国営企業PETRONASの潤沢な資本力とも無縁ではなさそうだ。

 とはいうものの、サテライトチームのバイクはファクトリーのスペシャルスペックと全く同一、というわけではない。モルビデッリの場合は、ファクトリーチームから2〜3戦後にアップデートパーツが支給されるであろう〈A〉スペック。ルーキーのクアルタラロには、当初こそ18年仕様が予定されていたが、急遽、彼にも19年型の支給が決定した。彼の場合は、マシンと最高峰クラスへの順応が主眼となるため、アップデートパーツは8〜9戦後に届く可能性がある、いわば〈B〉スペック、という区分だ。エンジンについても、特にクアルタラロのマシンは使用基数をレギュレーションが規定する7基よりも少なく抑えるために、回転数をやや抑えた仕様だとも言われている。

 テスト2日目の走行を終えたクアルタラロは、「学ぶことはたくさんあって、セクター1や2はうまく走れるようになってきたけど、セクター3とセクター4は高速コーナーもあるしハードブレーキングもあるので、まだちょっと苦労している」と話し、「明日は2分を切りたいし、20周のレースシミュレーションをいいペースで走りたい」と充実した表情で最終日に向けた抱負を述べた。

 ロッシが運営する若手育成プログラム・VR46アカデミー出身のモルビデッリは「僕はなぜか、テストのときは苦労してしまうタイプなんだ」と話し、「ライディング面では、コーナー出口をもっと良くしていきたい」と課題を挙げた。

「ホンダの場合はムリをせずに立ち上がれるけれども、ヤマハは正確に引き起こしていかなければならないんだ」

 トレードマークの長髪をバッサリ切った理由については「気分を変えて、もっと真面目人間に見えるようにするためだよ」と穏やかな笑顔で応えた。

「でも、僕はブラジル人とのハーフだからジョークや笑うことが大好きだし、それはいつも忘れないようにしたいよね」

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この記事について

シリーズ MotoGP
イベント セパン公式テスト
執筆者 西村 章