MotoGPコラム:舞台はフライアウェイへ。もてぎに向けた日本人ライダーの戦い

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MotoGPコラム:舞台はフライアウェイへ。もてぎに向けた日本人ライダーの戦い
執筆: 西村 章
2018/10/08 10:32

フライアウェイシリーズの緒戦を迎えたタイGP。次戦日本GPに向けて勢いをつける、重要な一戦を日本人ライダーはどう戦ったのか。

Ayumu Sasaki, Petronas Sprinta Racing
Ayumu Sasaki, Petronas Sprinta Racing
Ayumu Sasaki, Petronas Sprinta Racing
Kazuki Masaki, RBA Racing Team
Kazuki Masaki, RBA Racing Team
Tatsuki Suzuki, SIC58 Squadra Corse
Tatsuki Suzuki, SIC58 Squadra Corse
Kaito Toba, Idemitsu Honda Team Asia
Kaito Toba, Idemitsu Honda Team Asia
Tetsuta Nagashima, Idemitsu Honda Team Asia
Takaaki Nakagami, Team LCR Honda
Takaaki Nakagami, Team LCR Honda

 今年がMotoGPの初開催となった第15戦タイGPは、アジア・オセアニアを転戦する〈フライアウェイ〉シリーズの緒戦でもある。レースの本場である欧州から見れば、東南アジアや環太平洋諸国はいわゆる「出張」に近い感覚があるため、以前からこのような呼称が用いられている。

 しかし、アジアのライダーたちにとっては、いよいよここから自分たちの「庭」での戦いが始まる。特に日本人選手は、このレースを終えた二週間後の第16戦には日本GPが控えているため、そこに向けて勢いをつけるという意味でも今回のタイGPは重要な意味合いのある一戦だった。

 Moto3クラスの決勝レースで強い存在感を発揮したのが、佐々木歩夢(Petronas Sprinta Racing)だ。フル参戦2年目の佐々木は、これまでにも何度か上位陣に絡むパフォーマンスを披露しており、"Crazy Boy"の愛称は着実に浸透してきている。左手の負傷からの復帰戦になった今回のレースでは、レース序盤から上位陣で表彰台圏内を争う緊迫したバトルを続けたが、トップに立った矢先の14周目5コーナーで他車と接触し、転倒。残念ながら結果を残せなかった。とはいえ、強い印象はしっかりと灼きつけた。

「自分が先頭を走っているときに、ブレーキングでイン側に入った選手がバンプ(路面の凸凹)ではらんでハンドルバーに当たって、それで転倒してしまいました」

 だが、上位陣に絡む走りをすることで自信を深めている様子は、佐々木の言動の端々から窺える。

「オーストリアGP以降、レースウィークを重ねるたびに速くなっているし、(チャンピオンを争っている)(マルコ・)ベゼッキや(ホルヘ・)マルティンと自分のレベルがまったく変わらないということも、今はわかっている。日本GPでも優勝を狙います」

 参戦初年度ながらフロントロウを獲得して注目を浴びた真崎一輝(RBA BOE Skull Rider)も、他車との接触で転倒。マシンを引き起こしてレースへ復帰したものの、ポイント圏外の20位で終えた。

「序盤は良い位置で走れましたが、その後にかなり順位を落としてしまい、そこからまた追い上げて争っているときに、マルティンと接触して転倒してしまいました。今回はMoto3で初めてのフロントロウスタートで、レースでもトップグループを走ることができました。自分の走りがある程度通用したところもあれば、もっと学ばなければいけないところもあったので、良い勉強になりました。次の日本GPは、攻めて攻めて攻めまくるしかないです」

 鈴木竜生(SIC58 Squadra Corse)は、チームメイトと同士討ちになってしまい、ともにリタイア。

「昨日の予選ではタイヤ選択のミスで14番手からのレースになり、スタートで若干失敗して順位を上げきれず集団に埋もれてしまいました。そこからコンスタントにポジションを上げて、転倒前はトップグループが見えるところまできていたので、(転倒リタイアは)惜しかったですね」

 そう言って、やや顔をしかめた。

「今回は結果を持って帰れなかったので、日本GPでいい結果を獲得して、その後の3レースも戦いたい。ツインリンクもてぎは今回のブリラムのように初めて走るコースじゃないので、初日からセットアップを進めていけるだろうし、プラスアルファもなにか見つけることができると思います」

 12位でゴールし、日本人勢では今回唯一、ポイントを獲得した鳥羽海渡(Honda Team Asia)は「今日のレースは、点数で言えば50点くらい」と自らに厳しい評価を下した。

「予選が悪かった(26番グリッド)のと、序盤の3〜4ラップに(その順位からジャンプアップを狙って)行けなかったことが、リザルトに影響してしまいました。それだけに、中盤以降に追い上げた満足感よりも、序盤にうまくポジションを上げられなかった悔しさのほうがずっと大きいので、この悔しさを次の日本GPにぶつけます」

 Moto2クラスに話題を転じると、クラス唯一の日本人選手である長島哲太(IDEMITSU Honda Team Asia)が世界選手権自己ベストリザルトの8位でゴールを果たした。

「前戦のアラゴンからいい流れをつくれていて、今週もひとつずつ積み上げていくことができました。リザルトは自己ベストだし、内容的にもベストに近い内容だったので、このまましっかりトレーニングを積んでいい流れを作り、日本に入ることができます。日本GPではトップシックス、さらには表彰台も狙えるようにがんばります」

 一方、今年から最高峰クラスにステップアップした中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、レース序盤の3周目に最終コーナーで転倒を喫し、再スタートしたものの結果は22位。

「今回はタイヤ選択でも悩んでしまったし、レースでも自分の凡ミスから転倒したので、反省することばかりのレースでした」

 二週間後の日本GPに向けては、こんなふうに抱負を語った。

「今回のミスや悩みをしっかり反省してから気持ちを切り替えて、日本GPで最高のパフォーマンスをできるように集中して取り組みます。ずっと楽しみにしてきた日本GPだし、日本のファンの方々のパワーを今まで以上に感じると思うので、そのパワーも励みにして自分の力をウィークで出し切り、日本GPでベストレースを見せたいと思います」

 第16戦日本GPは、10月19日(金曜)午前に各クラスのフリープラクティス1回目がスタートする。

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シリーズ MotoGP , Moto2 , Moto3
イベント タイGP
執筆者 西村 章
記事タイプ 速報ニュース