MotoGPスペイン決勝:マルケス独走優勝。新星クアルタラロはトラブルに泣く
MotoGPスペインGPの決勝レースが行われ、レプソル・ホンダのマルク・マルケスが優勝を飾った。中上貴晶は9位入賞を果たした。
Marc Marquez, Repsol Honda Team
Gold and Goose / Motorsport Images
MotoGP第4戦スペインGPの決勝レースが行われ、レプソル・ホンダのマルク・マルケスが優勝を飾った。
中東のカタールで開幕した今年のMotoGPは、今戦からヨーロッパラウンドへと突入。チャンピオンシップの趨勢を決めるヨーロッパラウンドの初戦、ポールポジションを獲得したのはファビオ・クアルタラロ(SRTヤマハ)だった。クアルタラロはこれがMotoGP最高峰クラスで初のPP。しかも、史上最年少PPの記録更新というおまけ付きだ。
2番手にはチームメイトのフランコ・モルビデリ。3番グリッドはこれまで最年少PP記録を保持していたマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)が並んだ。日本の中上貴晶(LCRホンダ)は自己ベストとなる8番グリッドからのスタートとなった。
決勝レースの天候は晴れ、気温20℃、路面温度43℃のコンディションでスタートした。
ホールショットを奪ったのはマルケス。後ろにはモルビデリ、クアルタラロ、マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)とヤマハ勢が続く。中上はスタートでポジションをひとつ上げ7番手につけた。
オープニングラップでは13番手スタートのバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)が11番手までポジションを上げ、10番手にポジションを落としていた中上に襲いかかり、そのままパス。10番手に上がる。
トップのマルケスとモルビデリ、そしてクアルタラロとの差はなかなか広がらず、0.3秒あたりで付かず離れずの状況が続く。ラップタイムは1分38秒台前半で推移していった。
その後方では、5周目の9コーナーでアレックス・リンス(スズキ)がアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)を交わして前に出るが、ストレートで再びドヴィツィオーゾの先行を許してしまう状況に。トップ集団ではクアルタラロがコーナーで膨らんでしまう……が、なんとかリカバー。しかしマルケスとの差が広がってしまう。
トップ集団後方ではリンスが最速ラップを記録するペースで前を行くビニャーレスとの差を詰め、0.8秒差まで迫ってきた。
10周目、徐々にマルケスと2番手モルビデリとの差が開き始め、1秒ほどのギャップとなる。モルビデリは3番手のクアルタラロにも突かれる状況となっており、4番手ビニャーレスも加わってヤマハ勢による接戦状態となる。
マルケスはこれを好機と見たのかペースを上げ、モルビデリに対して2秒ほどのギャップを築く。
3番手クアルタラロはターン6でラインを外したモルビデリをパス。2番手に浮上しマルケスを追う。さらにリンスがビニャーレスに追いつき、そのままの勢いでかわして4番手につけた。
レースも半分を過ぎる頃、リンスが更に前へ出ようと、最終コーナーでモルビデリへ仕掛けるが、ここはモルビデリが抑える。
13周目、2番手を走っていたクアルタラロが突然のスローダウン。クアルタラロはそのままピットインし、残念ながらリタイアとなった。また、2番手に上がったリンスがマルケスを追うが、その差は3秒以上と大きな差がついている。
残り10周、ビニャーレスがモルビデリをパスし3番手に浮上。3番手集団にはドヴィツィオーゾがひたひたと忍び寄り、モルビデリをかわし4番手とする。さらにチームメイトのダニーロ・ペトルッチもモルビデリをパス。ドゥカティの2台が表彰台争いに加わっていく。
トップをひた走るマルケスは更にペースを上げ、1分38秒051と15周目にファステストラップを記録する走り。リンスとの差を約3.7秒まで広げる。
残り7周、ポジションを上げてきたロッシが8番手ミラーを捉え、オーバーテイク。ロッシはさらに7番手のモルビデリもパス……そのまま6番手カル・クラッチロー(LCRホンダ)も容易く料理し、ついに6番手までポジションを上げる。
独走体制のマルケスはペースを緩める気配は見せず、淡々と走行を重ねていく。
残り4周、ジョアン・ミル(スズキ)が最終コーナーで転倒を喫する。後方では中上がジャック・ミラー(プラマック)をパスし、9番手シングルフィニッシュ圏内にポジションを戻した。中上はそのまま8番手モルビデリを追いかける。
残り2周という段階で、ミラーが転倒。アレイシ・エスパルガロ(アプリリア)のインに入った際に接触してしまい、接触していたのだ。
3番手争いはドヴィツィオーゾがビニャーレスとの差を0.2秒以下までに詰め、テール・トゥ・ノーズの状態となる。
ラストラップ、マルケスは後方を振り返るほどの余裕をもってチェッカー。地元スペインで優勝を飾った。ビニャーレスはドヴィツィオーゾに食いつかれるも、ラストラップでもプッシュを続けてギャップを作ると、そのまま抑えきって3位表彰台を獲得した。
最終的にマルク・マルケスが優勝、アレックス・リンスが2位、マーベリック・ビニャーレスが3位となった。マルケスはこの優勝でランキング1位の座に返り咲き、前戦アメリカズGPでの優勝に続いて好結果を残したリンスがランキング2位となった。
やはりと言うべきか、日曜日の魔法使いバレンティーノ・ロッシは見事な追い上げを見せ、6位でチェッカー。13番グリッドからのジャンプアップを果たし、ランキングを4位とした。
中上は最終的に9位入賞となり、4戦連続でのトップ10フィニッシュとなった。
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