MotoGP、“ライダーひとりにマシン1台”のアイデアは却下。ドゥカティ以外が反対
MotoGPは新型コロナウイルスによる経済的な圧力への対処のため開発制限を決定。しかしドゥカティの提案したMotoGPクラスのスペアマシン削減策は、それ以外のメーカーが反対したことより却下された。
Marc Marquez, Repsol Honda Team
Gold and Goose / Motorsport Images
MotoGPの2020年シーズンは、新型コロナウイルスの影響によって中断。序盤8戦が延期または中止となっており、チームはレースが行なわれないことによってスポンサー料などを受け取ることができず、経済的な圧力を受けている。
参戦メーカーもこうした状況が過ぎ去ることを座して待っているわけではなく、コスト削減に向けた話し合いを行ない、2021年も同じエンジンとエアロフェアリングでレースをスタートさせることで合意している。
ただ話し合いの中では同意がまとまらず流れたアイデアも存在した。それがMotoGPライダーひとりあたりに用意されるバイクを現在の2台から1台に減らすことだった。
こうしたアイデアはドゥカティによって提案されたようだ。Moto2クラスやMoto3クラスではライダーひとりに1台のマシンとなっている。これと同じようにMotoGPクラスに参戦するチームも各ライダーあたり1台にすることが目指されたが、他の5メーカーはこれを拒否したという。
ドゥカティのゼネラルマネージャーであるジジ・ダッリーニャは“1ライダーにマシン1台”のアイデアについてLa Stampa紙に対して次のように語っている。
「モーターサイクルレース界全体がこの危機に苦しんでいるはずだ。コスト削減のためにあらゆるアイデアを実施していかなければ」
「その中のひとつとして、MotoGPでもライダーひとりあたりのバイクを1台のみにすることが考えられる」
「我々は(ひとりあたり)2台のマシンを持っている唯一のカテゴリーだ。Moto3やスーパーバイク世界選手権では1台のマシンのみだが、彼らのショーが劣っているようには見えない」
「わたしは技術者で開発が好きなため、どのような開発制限についても常に反対してきた。しかし今、物事は完全に異なっている。我々の将来は支出を減らすことにかかっているんだ」
結果的にスペアマシンの削減というアイデアは否決されたわけだが、ヤマハのチームマネージャーであるマッシモ・メレガリは次のようにスペアマシンの削減に反対する理由を説明している。
「個人的にはバイクは既に準備ができているため、そのアイデアには反対だ」
メレガリはmotorsport.comの取材に対してそう答えた。
「(ひとり1台にすれば)スペアパーツが節約できるのは事実だろう。しかし利益よりも問題があると思っている」
「今季は19戦も行なわれないことは間違いないだろう。そのため節約することになるかもしれない。それから可能な限りトラックへ赴くスタッフの数を減らすことも考えられる」
「しかしMoto2やMoto3のように、ライダーひとりにつき1台のマシンにするというアイデアは好むところではない」
「クラッシュのためにセッションを無駄にしてしまうことがあるだろう。また技術的にも、見せ場という面でも多くの妥協をしてしまうだろう」
なおライダーひとりあたりマシン1台となった場合でも大きくコストは変わらないという見方もある。なぜなら転倒した際などのリカバリー用に、在庫としてマシン1台分以上の余剰パーツが持ち込まれることになり、結局はスペアマシンが用意されている現状と大きくは変わらない……というのがその理由だ。
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