フェラーリF1の力を使うアプリリア。元エンジン開発責任者と新型V4開発に挑む
MotoGPに参戦するアプリリアは、新型マシンRS GP20のエンジン開発を、F1のフェラーリやトヨタでエンジン部門の責任者を務めていたエンジニアのルカ・マルモリーニと協力して推し進めている。

MotoGPに参戦するアプリリアは今シーズン、エンジンを一新。これまで使用してきたV型4気筒エンジンのシリンダー角を75度から、ライバルも採用している90度へと変更した。
2月に行なわれたプレシーズンテストではアレイシ・エスパルガロが速さを発揮しており、こうした変更は正解だったようにも見えた。しかし一新したエンジンの信頼性には課題が残っており、テストでもロングランを中断せざるを得ない場面があった。
アプリリア・レーシングのCEOには、元フェラーリF1のスポーティングディレクターであるマッシモ・リボラが着任している。リボラはF1時代の知見を活かした改革に着手し、さらに元F1エンジニアも呼び寄せてマシン開発に取り組むようになった。
ミハエル・シューマッハー時代のフェラーリで空力開発に携わっていたマルコ・デ・ルカは、アプリリアのレーシング部門の車両マネージャーとして加入。さらにフェラーリで最近まで電子制御エンジニアを務めていたステファノ・ロメオもRS-GP20の開発に関わってきた。
そして更に強力なエンジニアがアプリリアのエンジン開発へと加わる。かつてフェラーリとトヨタでF1エンジン開発を率いたルカ・マルモリーニだ。
マルモリーニは1990年にフェラーリに加入。フェラーリ412T2のV12エンジンをはじめとした開発に携わり、1999年にはトヨタに加入してV10エンジンの開発を担った。
2009年にはトヨタを離れると、再びフェラーリに加入。エンジン部門の責任者となり、F1のパワーユニット規定初年度の2014年までフェラーリに所属していた。
マルモーニはF1の世界を去った後、エンジニアリング会社を設立。そしてアプリリア・レーシングとの協力へと繋がった。
今季のMotoGPでは、新型コロナウイルスの影響により、コスト削減策の一環としてエンジン開発が凍結される事になっていた。しかしアプリリアには6月末まで優遇措置が適用されるため、新型エンジンの信頼性向上に取り組めることになっている。
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