VR46への投資額は“19億円”以上!? サウジアラビア王子、憶測呼ぶ契約状況に心配なしと強調
MotoGPクラスに参戦予定のVR46チームは、メインスポンサーにサウジアラビア企業を迎えることになっているが、契約状況を巡っては様々な噂が立っている。ただサウジアラビアのアブドルアジーズ・ビン・アブドゥラ・アール・サウード王子はそうした噂を否定し、スポンサーフィーが予定通り支払われると強調した。
MotoGPの2022年シーズンに、バレンティーノ・ロッシ率いるVR46チームがついに最高峰のMotoGPクラスへ参戦を開始する。VR46にはサウジアラビアの石油大手企業アラムコがスポンサーに就くとされているが、タナール・エンターテイメント・スポーツ&メディアのオーナーであるアブドルアジーズ・ビン・アブドゥラ・アール・サウード王子はその契約とスポンサー料を巡る噂について心配はないと強調している。
VR46チームは既に下位クラスでの参戦を続けており、近い内にMotoGPクラスへ参戦を開始すると見られていた。そして今年4月、サウジアラビアのタナール・エンターテイメントは、VR46チームと提携を結び、2022年から最高峰クラスへ足を踏み入れると発表した。
ロッシのVR46が最高峰クラスへ参入するという発表は、歓迎されるものだったが、時が経つにつれて、ある懸念も発生していた。
当初の発表ではVR46にはサウジアラビアの世界的大手石油企業であるアラムコが就くとされていたが、アラムコ側から正式な声明が一切なく、むしろこうした契約が結ばれていないと示唆するコメントを発してきたためだ。
今季限りで現役引退を決めたロッシだが、王子は自身のチームでロッシの現役続行を希望する旨のコメントも口にしており、そうした裏にはアラムコの投資に値するだけの“バリューのあるライダー”を走らせたいのではないか……といった考えも囁かれていた。
8月下旬にはこの件に関して会見が開かれる予定となっているが、それに先立ってイタリアメディアの取材に応えた王子は、VR46への“投資”が間違いなく行なわれると強調し、不安視するコメントを払拭しようとした。
「我々はバレンティーノ・ロッシ、そしてVR46との合意に至っているが、発表が早すぎたことで問題が持ち上がってしまった。法的にはこうしたプロジェクトはまず国内レベルで、次に国際的に行なわなければならない」
「我々は現在、スポーツ、財務、国際金融、メディアの4つの関係省庁と最終的な調整を行なっている。来週水曜(8月25日)に、政府の正式な会見が行なわれ、そこで全ての詳細を伝えられるだろう」
王子はVR46とアラムコのスポンサーシップに関しては口を閉ざしているが、全ては会見で明らかになるだろうと語るに留めた。
この点こそこれまでの疑惑を生み出してきた点なのだが、王子はVR46への資金提供が、タナール・エンターテイメント・スポーツ&メディアを通じて行なわれると強調している。
王子はスポンサーフィーについて「契約は既に結ばれている。来週、我々はそれをカバーする全額を送金する予定だ」と語った。
なおVR46へのスポンサーフィーは約1800万ドル(約19億7千万円)に上ると見られている。
タナール・エンターテイメントはVR46のテーマパーク設立などスポンサード以外にも多くのプロジェクトを進めているが、サウジアラビアとしては2021年に新たに開催されるF1と同じように、MotoGPも誘致したいと考えている様子だ。
「我々には多くのプロジェクトがあり、その中にはバレンティーノ・ロッシが関与する物もある。そして、MotoGPをサウジアラビアに誘致したいとも考えている。まだスポーツ庁と話しているところだが、すぐに現実のものとなるだろう」
また王子は引退を決めたロッシについても言及。残念がりながらも、ロッシは依然として重要な存在だとした。
「彼がMotoGPを走り続けていればよかったが、彼は依然としてヨーロッパでもアラビアでもレースに参加することができる。そのことについては沢山話し合うことになるだろう。バレンティーノは我々にとって非常に重要な人物なのだから」
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