MotoGP Americas GP

アメリカズGP決勝スタート前の大混乱からの赤旗は、策士マルク・マルケスの思惑通りの可能性。「安全上の懸念」が生じるように導いたのか??

MotoGPアメリカズGPの決勝は、ウォームアップ直前に赤旗による混乱が発生した。レースディレクターのマイク・ウェッブは、安全上の懸念から赤旗を掲示したと説明する。

Oriol Puigdemont

Oriol Puigdemont

公開日時: 2025/03/31 7:40

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

Maverick Vinales, Red Bull KTM Tech 3

Maverick Vinales, Red Bull KTM Tech 3

写真:: Gold and Goose / Motorsport Images

 MotoGP第3戦アメリカズGPの決勝レースはスタート直前に赤旗が掲示された。レースディレクターのマイク・ウェッブはこの赤旗について「安全上の懸念」に対処するためだったと説明している。

 アメリカズGPの決勝レースは、スタート直前にマルク・マルケス(ドゥカティ)の行動によって大きな混乱が引き起こされた。

 Moto2クラス決勝では雨が降りウエットコンディションで行なわれたものの、天候は回復傾向にあり、MotoGPクラスの決勝は路面が乾き始める難しい状況でスタート時刻を迎えようとしていた。

 レース自体はウエット宣言がなされ、さらにフラッグ・トゥ・フラッグでのバイク乗り換えも許可された。そうした状況で、大半のライダーはレインタイヤを選択していた。

 混乱が生じたのは、ウォームアップラップが始まろうとする直前だった。ポールポジションのマルケスが、いきなりバイクから飛び降りるとピットへダッシュ……スリックタイヤが装着されたマシンに飛び乗り、ピットレーン出口でウォームアップの開始を待った。

 このマルケスの行動が、他のライダーにも波及。チームメイトのフランチェスコ・バニャイヤをはじめとして、9人ライダーが反射的にピットへとなだれ込み、ピットレーンは大混乱となった。

関連ニュース:

 この事態に、レースディレクションは赤旗を決定。レースはスタート手順をクイックリスタートでやり直すことになり、結局全ライダーがスリックタイヤでレースに臨んだ。

 一連の事態はペナルティすら想定されるモノだったが、結局赤旗によって全てが無かったことになった。

 決勝レース終了後、レースディレクターのマイク・ウェッブは、赤旗に至った理由を説明した。

「安全上の懸念から、我々はディレイ、そしてクイックリスタート手順を求めた。ピットレーンにいたライダーやバイク、スタッフの人数を考えると、ウォームアップラップを開始することは不可能だった」

「リスタートは前例のない状況に対して対応する最も安全な方法だった。我々はこの状況をチームと共に分析し、ルールを見直すつもりだ」

■マルク・マルケスの確信

Enea Bastianini, Red Bull KTM Tech 3

Enea Bastianini, Red Bull KTM Tech 3

Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images

 赤旗が出されたことに最も安堵したのはマルケスだろう。彼はタイヤを交換できなくなった段階で、既に選択したレインタイヤは間違ったチョイスだと確信した。そしてルールを認識した上でこの乗り換え戦略を採った。その後は、彼の思惑通りに他のライダーもピットへ向かった。

「他のライダーが僕を真似してくれるように試みたけど、上手くいった。10人以上のライダーが僕のマネをすれば、スタートが中止されるだろうことは分かっていた。そしてまさにその通りになった」

 マルケスがそう語っているのは、スポーツ規則第1.18.16条にある『安全上、10名より多いライダーがピットレーン出口からスタートする場合、スタートを遅らせ、新たなスタート進行を行なう』という条文が念頭にあったからだろう。

 マルケスはこの戦略が上手くいかなかった場合でも、ペナルティと得られるアドバンテージの収支はプラスになっていたはずと認識している。

「最後尾からのスタートでも、適切なタイヤだからね。(スタート後に)バイクを乗り換えにピットインするのと比較すれば、タイムロスをセーブできただろう」

 しかし、実際にはマルケスとチームには誤解があったかもしれない。赤旗とクイックリスタートにならなかった場合、マルケスにはライドスルーペナルティが科されていたはずなのだ。

 スポーツ規則の1.18.7条に、今回の状況のようにウォームアップ直前に天候関連の理由でグリッドを離れる場合の手順についての記載がある。

 同条では『天候関連の理由でタイヤを交換するライダーは、ウォームアップラップをピットレーンからスタートし、予選で決定されたグリッドにつき、レースディレクションから指示があった際にライドスルーペナルティを(通常はレース最初の3周以内に)受けなければならない』と規定されている。

 この規定は2018年アルゼンチンGPの事例を受けて改定されたものだ。

 同GPでは、スリックタイヤのギャンブルを決めたジャック・ミラーの動きに反応した他のライダーがピットイン。スリックタイヤのマシンへ乗り換え、ピットレーン出口が大混雑した末に、赤旗中断となった。

 ミラー以外のライダーはグリッドを大きく下げた位置についてリスタートするという異様な事態となったが、最初に正しいタイヤを選択したライダーが不利を受けないようにするために、前述のルール変更がなされた。

 つまりマルケスは、赤旗が出ずにレースがスタートしていればライドスルーペナルティを受けるはずだったのが、赤旗によって救われたということだ。

 2025年アメリカズGPで、当初スリックタイヤを選択していたのは、小椋藍(トラックハウス)、エネア・バスティアニーニ(テック3)、ブラッド・ビンダー(KTM)の3人のみ。彼らからすれば、千載一遇のチャンスを赤旗で潰されたことになる。

 

あなたの意見が聞きたい!

Motorsport.comで何を見たいですか?

5分間のアンケートにご協力ください。

- Motorsport.comチーム

関連ニュース :

記事をシェアもしくは保存

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

前の記事 【動画】MotoGPアメリカズGP、決勝はスタート前に大混乱!

次の記事 アレックス・マルケス、6連続2位でランキング首位に浮上! 「僕はミスター2位。この瞬間を楽しまなくちゃ」

More from

Oriol Puigdemont



MotoGP、将来的な予算上限の導入を検討中。ここでもF1に続く?

MotoGP

MotoGP

6 時間前

MotoGP、将来的な予算上限の導入を検討中。ここでもF1に続く?



MotoGP、F1と同じ道を選ぶ? カタールGP代替地開催の可能性も排除せず「当然、それは頭の中にある」

MotoGP

MotoGP

23 時間前

MotoGP、F1と同じ道を選ぶ? カタールGP代替地開催の可能性も排除せず「当然、それは頭の中にある」



MotoGP、”移籍交渉可能期間”を制限か? 年々早まるライダー市場の動きを牽制……しかし実現には様々な障壁アリ!

MotoGP

MotoGP

1 日前

MotoGP、”移籍交渉可能期間”を制限か? 年々早まるライダー市場の動きを牽制……しかし実現には様々な障壁アリ!

最新ニュース



オートポリス、コースに熊本地震の被害なし……地震後初のレースも先週末無事開催。花火大会とスーパーGTが復興支援イベントに

機能

General

ライブテキスト

評価

機能

General 21 分前

オートポリス、コースに熊本地震の被害なし……地震後初のレースも先週末無事開催。花火大会とスーパーGTが復興支援イベントに



MotoGP日本GPの玄関口、宇都宮でマシン展示やウェルカム装飾が決定! フルバンク体験や提携クーポンも

機能

MotoGP

ライブテキスト

評価

機能

MotoGP 1 時間前

イギリスGP

MotoGP日本GPの玄関口、宇都宮でマシン展示やウェルカム装飾が決定! フルバンク体験や提携クーポンも



キャデラックF1、電撃的なロードン解任は”双方合意”ではなかったと認める。タウリスCEO「話したのは今朝」

機能

F1

ライブテキスト

評価

機能

F1 6 時間前

キャデラックF1、電撃的なロードン解任は”双方合意”ではなかったと認める。タウリスCEO「話したのは今朝」



ペレスのウイリアムズ移籍は無い! キャデラックの新チーム代表&CEO、ベテランの価値を強調

機能

F1

ライブテキスト

評価

機能

F1 6 時間前

ペレスのウイリアムズ移籍は無い! キャデラックの新チーム代表&CEO、ベテランの価値を強調

Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.

フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。

次の 2 つのオプションがあります。

購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします

広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード

お知らせの管理

登録