MotoGPチェコGP決勝:“初”づくしのビンダー優勝にKTM歓喜。中上追い上げ8位
MotoGPチェコGP決勝が行なわれ、KTMのブラッド・ビンダーがルーキーながらキャリア初優勝。KTMにとって初の勝利を持ち帰った。

ブルノ・サーキットでMotoGP第4戦チェコGP決勝レースが行なわれ、KTMのルーキー、ブラッド・ビンダーがキャリア初優勝。KTMへMotoGPクラス初の勝利をもたらした。
予選ではヨハン・ザルコ(アビンティア)がポールポジションを獲得し、ペトロナス・ヤマハSRTのフランコ・モルビデリとファビオ・クアルタラロの2名がフロントロウに並んだ。
中上貴晶(LCRホンダ)はQ1でのラップタイム抹消が影響し、17番手と後方からのスタートだ。
サーキット周辺は晴れ、気温は30℃、路面温度は47℃まで上昇。非常に暑いコンディションでレーススタート時刻を迎えた。
21周のレースがスタートすると、ポールポジションのザルコは若干出遅れ、クアルタラロとモルビデリ、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア)が好スタートを決めたことで先行されてしまった。
スタート直後の混戦ではモルビデリがトップに立ち、2番手にアレイシ、3番手にクアルタラロが続いた。モルビデリは即座にスパートをかけ、2番手に1秒以上のギャップを確立してオープニングラップを終えた。
オープニングラップを終えてのオーダーは、モルビデリを筆頭にクアルタラロ、アレイシ、ブラッド・ビンダー(KTM)、ザルコのトップ5だ。また、中上は後方からのスタートだったが、11番手にまでポジションを上げた。
先頭を行くモルビデリはファステストラップを記録するハイペースで走行。2番手のクアルタラロはペースこそ良いものの、3番手に上がってきたビンダーからプレッシャーを受ける展開だ。
上位を走るライダーは先頭のモルビデリが単独、そこに2番手クアルタラロとビンダーが1秒差で続き、更に1秒差の4番手にザルコとポル・エスパルガロ(KTM)が並んでそれぞれが争う形となった。そして後に4番手争いではポルに軍配が上がり、ザルコは5番手に後退した。
ポルはザルコを引き連れたままぐいぐいと2番手集団に接近し、9周目になると4台はひとつの集団になりつつあった。
その9周目、ビンダーがついに2番手のクアルタラロをオーバーテイク。さらに好機と見たかポルもクアルタラロを追い抜いていった。しかしポルは10周目にターン1でワイドになったタイミングでザルコにインを突かれ、わずかに接触したことで転倒を喫してしまった。
チームメイトの転倒を尻目に、2番手ビンダーは好ペースで走行。レース半分となる11周目には先頭のモルビデリとの差を1秒に縮めた。
ビンダーはペースの落ちているモルビデリを更に追い上げ、残り10周でモルビデリを完全に捉えてみせた。
レース残り9周、ついにビンダーがモルビデリをオーバーテイク。ルーキーながらトップに立ち、そのままモルビデリを突き放しにかかると、残り5周で2秒近い差を確保した。
また同じ頃に、ザルコとポルの接触の審議結果が発せられ、ザルコに対してロングラップペナルティが科された。ザルコはこのペナルティを消化したが、なんとかクアルタラロの前の3番手でコースへ復帰することに成功した。
そしてレースはラストラップ。ビンダーが5秒以上の大差を築いてトップでチェッカー。キャリア初優勝を挙げた。またこの優勝は2017年にMotoGPクラスへの参戦を開始したKTMにとっても、初のモノであり、チームは歓喜に包まれた。
2位はモルビデリ。優勝こそ逃したがMotoGPクラス初の表彰台だ。3位にはドゥカティ陣営に移籍して1年目のザルコが入った。最終2周ではアレックス・リンス(スズキ)からのプレッシャーを受けたが、守りきって表彰台を獲得した。
中上貴晶は終盤にアレイシ・エスパルガロをオーバーテイクし、8位を獲得。後方グリッドからのスタートだったが、シングルフィニッシュを持ち帰った。
一方、ヘレスで2連勝を収めたクアルタラロは後半苦しい戦いが続き、7位でフィニッシュとなった。ただランキング首位は堅守している。
Read Also:
順位 | ライダー | 周回数 | タイム | 差 | 前車との差 | 平均速度 | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | |
21 | 4Г38.764 | 163.4 | 25 | ||
2 | |
21 | 4Г44.030 | 0.000 | 0.000 | 163.1 | 20 |
3 | |
21 | 4145.234 | 1:09'01.234 | 1:09'01.234 | 163.0 | 16 |
4 | |
21 | 4145.373 | 1:09'01.373 | 0.139 | 163.0 | 13 |
5 | |
21 | 4146.281 | 1:09'02.281 | 0.908 | 162.9 | 11 |
6 | |
21 | 4146.733 | 1:09'02.733 | 0.452 | 162.9 | 10 |
7 | |
21 | 4Г50.591 | 0.000 | 162.6 | 9 | |
8 | |
21 | 4T51.626 | 0.000 | 0.000 | 162.6 | 8 |
9 | |
21 | 4Г53.777 | 0.000 | 0.000 | 162.4 | 7 |
10 | |
21 | 4T53.851 | 0.000 | 0.000 | 162.4 | 6 |
フルリザルトを見る |
最新ニュース
引退ドヴィツィオーゾ、ヤマハM1の苦戦は予想外だった「ライディングを完全に変えるなんて無理」
アンドレア・ドヴィツィオーゾは2021年にヤマハ陣営へ加入し再起を図ったが、YZR-M1への適応にこれほど苦労することになるとは予想していなかったという。
ビニャーレス、ヤマハ離別から8月で丸一年。キャリア危機からアプリリアで復活……チームも更に期待?
マーベリック・ビニャーレスがヤマハで出場停止処分を受けてから、丸一年が経った。アプリリアへの移籍に繋がったこの出来事は、結果的に上手く進んでいる様子だ。
羽田太河、第13戦オーストリアGPからMoto2に参戦が決定。負傷ロドリゴの代役で8戦出場へ
Pertamina Mandalika SAG Teamは負傷したガブリエル・ロドリゴの代役としてMotoGP第13戦オーストリアGPから日本人ライダーの羽田太河を起用することを発表した。
【アプリリア|勝利への道】RSW 500&RS Cube……アプリリア、最高峰500cc/MotoGP初期の苦闘の歴史とは
MotoGP2022年シーズンに初優勝を成し遂げたアプリリア。最高峰クラスでは長く苦戦が続いていたアプリリアの、最高峰クラス初期からの”旅”を振り返り、現在の好調なシーンまでの繋がりを今一度見てみよう。