MotoGPオーストリアFP3：終盤のアタック合戦をビニャーレスが制す。中上Q2進出

　MotoGP第5戦オーストリアGPのフリー走行3回目がレッドブルリンクで行なわれ、マーベリック・ビニャーレス（ヤマハ）がトップタイムをマークした。

　コースコンディションは直前に行なわれたMoto3クラスの際にはウエットコンディションだったが、雨は上がったこともあり、走行ラインは一部がドライへと変化しつつある状況だ。

　コンディションの悪かったFP2では多くのライダーが出走を遅らせていたが、FP3はセッション開始とともに、大部分のライダーがレイン用タイヤで出走していった。ただ、まだまだ水しぶきの上がる状況で、コンディションの改善が進むであろう終盤まで、しばらくは総合タイムの更新は望めそうになかった。

　その後は路面の水を吹き飛ばしつつの走行でFP3の半分の時間を消化。しかし天候が完全に晴れたことで、コースはどんどんドライ部分が増えつつある状態へ変化していった。

　残り時間20分を切ると、スリックタイヤへと変更する指示がライダーへ出され、レインタイヤを履いていたライダーは続々とピットへと戻った。

　各ライダーがスリックタイヤでコースへ戻ると、タイムは一気に上昇しはじめた。

　残り10分の段階ではタイムは1分26秒台。初日FP1で記録されたトップ10圏内のタイムまではおよそ1秒と、あと少しにまで迫ってきた。

　そして残り7分頃にはアンドレア・ドヴィツィオーゾ（ドゥカティ）が1分24秒832とQ2圏内に値するタイムを計測。いよいよ本格的なアタックの開始の狼煙となった。

　残り5分、マーベリック・ビニャーレス（ヤマハ）が1分24秒715をマーク。Q2進出圏内の総合7番手に浮上した。ビニャーレスはそのままアタックを続けると、1分24秒317とFP3トップ、かつ総合3番手にまでポジションを上げた。

　ジャック・ミラー（プラマック）も残り1分という終盤にタイムを更新。1分24秒363で総合4番手に割って入った。

　コース上では最後までアタックが続き、チェッカー後のアタックではそれまでQ2圏外にはじき出されていたファビオ・クアルタラロ（ペトロナス・ヤマハSRT）が、総合10番手に浮上。なんとかQ2直接進出を勝ち取った。

　そしてFP3が終了。セッションタイムではビニャーレスがトップ、2番手にミラー、3番手にドヴィツィオーゾという並びとなった。

　FP1からFP3までの総合タイムでは、ポル・エスパルガロ（KTM）がトップ。以下Q2進出圏内となる10番手までの並びは、ドヴィツィオーゾ、ビニャーレス、ミラー、中上貴晶（LCRホンダ）、アレックス・リンス（スズキ）、ミゲル・オリベイラ（テック3）、ジョアン・ミル（スズキ）、フランコ・モルビデリ（ペトロナス・ヤマハSRT）、クアルタラロだ。

　なおヤマハ勢の中ではバレンティーノ・ロッシがQ1からの予選開始となった。

順位	ライダー	周回数	タイム	差	前車との差	平均速度
1	マーベリック ビニャーレス	22	1'24.317			184.361
2	ジャック ミラー	9	1'24.363	0.046	0.046	184.260
3	アンドレア ドヴィツィオーゾ	20	1'24.426	0.109	0.063	184.123
4	アレックス リンス	12	1'24.434	0.117	0.008	184.105
5	ミゲル オリベイラ	20	1'24.508	0.191	0.074	183.944
6	ジョアン ミル	15	1'24.517	0.200	0.009	183.925
7	ポル エスパルガロ	17	1'24.525	0.208	0.008	183.907
8	ファビオ クアルタラロ	21	1'24.611	0.294	0.086	183.720
9	ダニーロ ペトルッチ	15	1'24.663	0.346	0.052	183.607
10	カル クラッチロー	19	1'24.961	0.644	0.298	182.963
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