MotoGP カタールGP
MotoGP、アメリカズGPスタート前の大混乱を受けてレギュレーション見直しへ。より分かりやすくシンプルに?
MotoGP第3戦アメリカズGPでは決勝直前に多数のライダーがマシン乗り換えを決断し、赤旗による仕切り直しが発生した。レースディレクションはこの事例を受け、さらにレギュレーションを改善しようとしている。

Oriol Puigdemont
公開日時: 2025/04/09 3:14
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Race delayed due to wet weather
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
MotoGP第3戦アメリカズGPの決勝スタート直前に起こった混乱を受け、レースディレクションはチームがより理解しやすいようにレギュレーションを改善することを目指している。
アメリカズGPは天候が不安定な状態で決勝を迎えており、これが後々の問題につながった。
当初、スタート25分前のピットレーンオープン時には路面は乾きつつあったものの、まだ小雨の降る状況だった。ライダー達はグリッドに着く前にコースを走行しコンディションを確かめていたが、その最中にファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)がスリックタイヤで転倒してしまう場面もあった。
しかしスタート7分前、国歌演奏時に雨は降り止み、さらに気温も上昇。路面は急速に乾き始めた。ほとんどのライダーはレイン用のマシンを用意しており、このままではかなり不利になると理解し始めた。スリックタイヤを選んでいたのは、ブラッド・ビンダー(KTM)、エネア・バスティアニーニ(テック3)、小椋藍(トラックハウス)だけだった。
MotoGPが公開したスタート前の様子を捉えたビデオ映像では、ドゥカティのマルク・マルケスがバイクを乗り換えることだけではなく、ライバルが反応する時間を最小限とする方法も考えていたことが示されている。ただ彼とドゥカティは、ライドスルーペナルティを受けずにレースを戦えるという誤解も抱えていた。
スポーツ規則の第1.18.7条には、次のように規定されている。
Watch: Watch Marc Marquez decide on his grid gamble
『天候関連の理由でタイヤを交換するライダーは、ウォームアップラップをピットレーンからスタートし、予選で決定されたグリッドにつき、レースディレクションから指示があった際にライドスルーペナルティを(通常はレース最初の3周以内に)受けなければならない』
この規定は2018年アルゼンチンGPの事例から改定されたものだ。アルゼンチンGPではスリックタイヤのギャンブルを決めたポールシッターのジャック・ミラーに反応した他のライダーがピットイン。スリックタイヤのマシンへ乗り換え、ピットレーン出口が大混雑した末に、赤旗中断となった。
ミラー以外のライダーはグリッドを大きく下げた位置についてリスタートするという異様な事態となったが、最初に正しいタイヤを選択したライダーが不利を受けないようにするために、前述のルール変更がなされた。
レースディレクターのマイク・ウェッブは、当時の状況について次のように語った。
「組織もインフラも、多数のライダーがレース直前にバイクを交換してグリッド後方でポジションを取る準備ができていなかったため、調整が行なわれた」
「そのため各ライダーは自分のポジションからスタートし、ペナルティは後から科されることが決定されたんだ」
Maverick Vinales, Red Bull KTM Tech 3
Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images
2025年のアメリカズGPでは、影響力の大きいマルケスがスタート直前にマシン乗り換えを選ぶと、他のライダーもそれに倣って一斉にピットレーンへとなだれ込んだ。ウォームアップラップ開始直前のことで、大混乱が生じたのだ。
レースディレクションは「安全上の懸念」を理由に赤旗を出し、スタートを中止。これによって仕切り直しとなり、スリックタイヤを選んだライダーには不利な結果になってしまった。
「レッドフラッグは安全上の理由によるものだった」とウェッブは語る。
「マルクが彼のピットボックスへと走った時、グリッドのほぼ半分が彼に従った」
「あまりにも多くの人間とバイクがピットレーンを動き回っている状況で、レースをスタートするのは安全だとはシンプルに言い難かった。我々はそこにいる人達の数もあり、ピットウォールゲートをクローズすることすらできなかった」
この時点で『スタートディレイ』が全てのライダーにとって公平な手段だったのではないかという考えもある。しかしウェッブはグリッドの並び替えは非現実的だったと説明している。
「我々はこれが最も安全かつ分かりやすい選択肢だったと考えたため、赤旗を出して、スタートをやり直すことを決めたんだ」
ウェッブはそう語る。
「もしスタートディレイを採用していたら、レギュレーションに従ってピットレーンを離れたライダーをグリッド最後尾に移動させなければならなかった。しかしそれは2018年のアルゼンチンで実行不能だと分かったときと同じなんだ」
そしてウェッブは今回のアメリカズGPでの出来事を教訓に、規則をよりわかりやすくするなどの、見直しにつながるだろうと語った。
「オースティンでは前例にないことが発生した。しかし、これはレギュレーションの見直しにつながるだろう。主に、関係者全員が明確に理解できるよう、規則をシンプルにすることだ」
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