”悪夢”のようなコンディション……MotoGPライダーたち、フランスGPの開催時期変更を求める
MotoGPのライダーたちは、悪夢のような天候を避けるために、ル・マンのブガッティ・サーキットで開催されるフランスGPの開催時期を変更するべきだと声を挙げている。

仏ル・マンのブガッティ・サーキットで開催されているMotoGP第5戦フランスGP。週末を通して気温、路面温度が低い上、雨がちなコンディションとなっているため、金曜日と土曜日合わせて全クラスで77件ものクラッシュが発生。ウエットレースとなったMoto3クラスの決勝だけでなく、ドライレースとなったMoto2クラス決勝も、転倒が続出した。
MotoGPクラスのポールポジションを獲得したファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)は、ドライコンディションとなったFP2においても、タイヤのウォームアップは難しく”大惨事”だとコメント。多くのライダーがこのコメントに同意した。
コンディションが低温のため、日曜日のウォームアップ・セッションは当初の予定から40分遅く行なわれたが、それでも路面温度は13度どまり。ライダーたちはこうした事態を避けるために、今後はもっと開催時期を遅らせることを要求している。
アプリリアのアレイシ・エスパルガロは、この時期にイベント開催に対して、最も声高に安全性の懸念を主張しており、「とても怒っている」と認めた。
「安全性について何度話し合いを重ねたとしても、この時期のル・マンに来るべきではない」と、エスパルガロは土曜日に語った。
「タイヤが機能していないんだ。65~70件のクラッシュがあり、すでに手術を受けているライダーもいる」
「ミシュランとダンロップが持ってきたタイヤが機能していないのだから、路面温度が12度のル・マンに来るべきじゃない」
「僕らのクラッシュを見て面白いと思っている人がいるかどうかは分からないけど、僕らにとってはそうじゃないんだ。みんながクラッシュしている。僕らみんながバカなのか? そうじゃない。だから僕はとても怒っているんだ」
「僕はウエットでも速かったし、ウエットで走りたくないというわけじゃない。それも僕の仕事の一部だからね。それ自体は問題ない」
「でも12度じゃそれはできない。通常の状況でのレースに変えられない理由は何だ?」
「それができなければ、タイヤメーカーにル・マン用の特別なタイヤを作るよう働きかけることになるが、それは不可能だと思う」
ヤマハのマーベリック・ビニャーレスもこの意見に賛同。安全性を考慮して日程を変更することで、”より良いショー”が生まれると述べた。
「ル・マンはとても良いコースだけど、この寒さでは悪夢のようなコースになってしまう。だから開催時期の変更を本当に望んでいる」
「ウォームアップはおそらく7度か8度といったコンディションになるだろう。これでは難しいし、とても危険だ」
「ル・マンは最も美しいサーキットのひとつだけど、寒い時には本当に難しくなってしまうので、少なくともサーキットを楽しめるように、開催時期を変えてほしいと思う。そうすれば、より良いレース、より良いショーになると思う」
ペトロナス・ヤマハSRTのバレンティーノ・ロッシも、開催日程の変更はプラスになると考えているが、それはライダーがコントロールできることではないと認めている。
「通常ミシュランとの話し合いでは、安全のために路面温度は20度必要だと言われている。つまり、気温が15~16度は必要だ。しかし今週末を通して気温は7~9度で、路面温度は常に15度以下だ。危険過ぎる」
「他に、雨量の問題もある。まるでマレーシアにいるみたいだ」
「雨が降り始めて5分後には40cm、あるいは20cmの水が(路面に)溜まって、その後止んでしまう」
「大量の水と低温の組み合わせは最悪なんだ。6月になればもう少し天気が良くなるかもしれないが、それは僕たちが選択できることではない」
「その背後には、僕が全く知らない多くのダイナミクスがあるんだ」
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