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MotoGPライダーのつらい現状に対する不満が噴出。”基本給”導入の可能性も?

ジョアン・ミルのマネージャーであるパコ・サンチェスは、MotoGPライダーの契約に基本給を導入するのは、ライダーにとって”メリット”だと語った。

Francesco Bagnaia, Ducati Team

写真:: Gold and Goose / Motorsport Images

 MotoGPライダーたちは、フランスGP金曜日の夜に行なわれた安全委員会の会議の際に、シリーズを運営するドルナのCEOであるカルメロ・エスペレータに対し、ライダーの報酬が安すぎるとして懸念を表明した。

 これは、Moto2クラスを戦うスピードアップが、シーズン開始からわずか6レースでロマーノ・フェナティとの契約を一方的に破棄したことに端を発している。

 新型コロナウイルスの大流行や、ウクライナ侵攻による経済的な影響から、MotoGPではファクトリーチームも含め、ライダーの報酬を低く抑えようとする傾向になってしまっているのだ。

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 2022年限りでMotoGPから撤退するという、スズキの衝撃的な決断に直面しているジョアン・ミルのマネージャーであるパコ・サンチェスは、「彼らはこの世界のスター」だとして、ライダーは基本給が明記された契約にサインするのが当然だと語る。

「これはビッグなビジネスなんだ」

「私にとってはテニスやサッカー、その他の大きなスポーツと同じであり、このビジネスの一部は、そのスターである人々のためにあるべきなんだ」

「MotoGPライダーは、この世界のスターなんだ。私はそれ(基本給)がメリットになると思う……それを払う必要があるのが、ドルナなのか、メーカーなのかは分からないがね」

「マルク・マルケスのような給料を払えとは言わないが、最低限の基本給は必要だろう」

「我々は時々忘れてしまうが、彼らは人生をかけてプレーしているのだ。若いライダーの中には、10万ユーロ(約1300万円)を提示すればサインする者もいるし、ゼロでもサインする者もいる」

 ライダーたちは契約に最低基本給を導入することの議論だけでなく、フェナティの状況を強調。ライダーたちに対する保護が欠如していることについても懸念を表明している。

 現在、MotoGPにはF1のGPDAのような選手会組織もなければ、契約の監視委員会などもない状態だ。

 フランスGPで予選3番手となったアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)は、安全委員会で何が話し合われたのかと聞かれ、「特にファクトリー勢は影響を受けないから、最低給与を設定することを話しただけだ」と答えた。

「ファクトリーのライダーはみんな、それを超えている。でもプライベートチームでは、ファクトリーライダーと同じように、あるいはそれ以上に、ライダーは命がけなんだ」

「だから、敬意を払わなければならない。Moto2で起きたライダー解雇の件では、安全委員会でみんなが怒っていたよ。僕たちは守られていないようだ」

「今契約しているチームとの契約を終えても、契約期間中であれば他のチームに移籍することはできない」

「でも、チームは好きなようにできるんだ。フェアじゃない。チームには自分たちを守る協会があり、公平だが、僕たちは守られていないと感じる。だから、不公平なんだ」

 
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