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テストレポート

MotoGP、2026年に向けた最初のテストはアプリリアがワンツー。各チームが新パーツ投入&新人ライダーも初登場

MotoGPは2025年最終戦を終えたあと、バレンシアで2026年シーズンに向けた最初のテストを実施。最速タイムを記録したのは、ラウル・フェルナンデスだった。

Marco Bezzecchi, Aprilia Racing

 2025年のMotoGP最終戦バレンシアGPを終えてから2日後、11月18日に同じくバレンシアで2026年シーズンに向けた最初のテストが実施された。

 シーズン終了直後に実施されるこのバレンシアテストは例年、各メーカーが2026年シーズンに使う新型バイクの開発を進め、方向性を固めて行く貴重な機会となっている。それだけではなく、新たにデビューするライダーにとっては、MotoGPマシンに乗り習熟を深める大事な時間でもある。

 今年のバレンシアテストは、前日夜に降った雨の影響が残る中でスタート。路面にはウエットパッチが残るなど難しいコンディションだった。ジャック・ミラー(プラマック)やマーベリック・ビニャーレス(テック3)がインスタレーションラップをこなすものの、結局最初にラップタイムが計測されたのは12時頃だった。

 その状況を受けてMotoGPも対策を講じなくてはならなかった。セッションは一時的に赤旗中断となり、多数のマーシャルがブロワーなどによって少しでもコースを乾燥させようとしていた。

 チーム、そしてライダーの走行時間を最大限に活用するため、間に挟まれるはずの休憩時間もキャンセルされた。そして終了時間も30分後ろ倒しされ、テストは残り4時間で再開された。

 その後は大きなトラブルなく進んだ。そしてこの日最速タイムを記録したのは、トラックハウスのラウル・フェルナンデスだった。

 今シーズン終盤戦に向けて調子を上げ、初優勝も達成したフェルナンデスは1分29秒373でテスト最速となった。そして2番手には同じアプリリア陣営のファクトリーチームのエース、マルコ・ベッツェッキが続いた。

 アプリリアは今回のテストに新型カウルを投入。ゼブラカラーでできるだけ秘匿されていたものの、あらゆる側面で空力を進化させている様子だった。外見からはフロントウイングがKTM風のモノへ変化していることや、リヤカウルのウイングもこれまでの垂直尾翼のような形から、KTMが採用していたようなウイングのモノに変化し、リヤに搭載されている車載カメラの前部に二重に重なるカウルを装着したものが試された。

 アプリリアはMotoGPの空力面でリードしてきたが、2026年も引き続き彼らの試みがベンチマークとなってきそうだ。

Marco Bezzecchi, Aprilia Racing

Marco Bezzecchi, Aprilia Racing

Photo by: Gold and Goose Photography / LAT Images / via Getty Images

 そんなアプリリア勢に迫るタイムを記録したのが、2025年のランキング2位であるアレックス・マルケス(グレシーニ)。彼は今回、ドゥカティが用意した新しいカウルをテストした。

 興味深いのは、この新型カウルを同じくテストしていたドゥカティファクトリーチームのフランチェスコ・バニャイヤの走りだ。バニャイヤは10番手タイムだったが、他のライダーと異なるミディアムタイヤでの走行だったにもかかわらず、トップから0.358秒差をマークしている。

 なおバニャイヤは残り1時間頃でクラッシュしたが怪我はなく、マシンにもポジティブなフィーリングを得られたという。

 さらにドゥカティは負傷欠場中のマルク・マルケスの代役として、今回のテストでもニッコロ・ブレガを起用した。ブレガは最終的に0.288秒差の8番手タイムをマーク。他のライダーと互角に戦える実力を示した。2026年からはドゥカティのMotoGPテストライダーも務めるブレガにとっては、この代役で示した進捗は素晴らしい兆候だと言えるだろう。

 上位の5番手、6番手タイムにはKTM勢が続いた。彼らは新型のカウルと、そしてウインドスクリーンをテストしていた。特にカウルは2種類を用意してくるなど、精力的なテストを行なった。

 怪我からようやく復帰したマーベリック・ビニャーレス(テック3)はまだ肩のコンディションが完全ではないにもかかわらず、56周とかなりの距離を走り込んだ。

 優遇措置制度でグループCへの昇格が決まったホンダ陣営は、新型のエキゾーストを投入。またLCRのヨハン・ザルコはファクトリーチームのライダーが使ってきた空力パッケージに慣れる時間として今回のテストを活用した。

新人のモレイラ

新人のモレイラ

 ホンダ陣営で注目だったのは、新人のディオゴ・モレイラ。2025年のMoto2クラスチャンピオンであるモレイラは、初めてのMotoGPマシンでの走行で計57周を走破し、トップから1.8秒差のタイムを記録した。なおモレイラはHRCのコーポレートカラーでの参加となっており、これまでLCRをサポートしてきたイデミツカラーではなかった。彼らはソムキアット・チャントラの離脱に伴い、パートナーシップを終了したものと見られている。

 ヤマハ陣営は既報のとおり、来季から新型のV4エンジン搭載マシンを投入する。今回のテストも当然V4マシンで行なわれており、陣営の最上位は15番手のファビオ・クアルタラロだった。順位こそ下位だったが、トップからは0.5秒差で、バレンシアGPの週末にV4エンジン車でワイルドカード参戦していたアウグスト・フェルナンデスのタイムを既に大きく上回っている。

 2026年のもうひとりのルーキーであるトプラク・ラズガットリオグル(プラマック)も注目を集めた。WSBK(スーパーバイク世界選手権)で3度の王者であるラズガットリオグルは、既に1度V4マシンを試乗済みだったが、比較的早くMotoGPマシンに順応した。最終的にはアレックス・リンスとジャック・ミラーを抑え、トップから1.294秒差の18番手タイムをマークしている。

 なおバレンシアテストでは、負傷欠場のフランコ・モルビデリ(VR46)の代役として、Moto2参戦中のセレスティーノ・ビエッティも走った。最終的には3秒差がついたが、VR46のライダーとして忘れられない1日になったことは間違いない。

バレンシアテスト リザルト

Pos. Rider Team Time Laps
1 Spain R. Fernández  Trackhouse Racing 1"29"373 52
2 Italy M. Bezzecchi  Aprilia Racing +0"027 60
3 Spain Á. Márquez  Gresini Racing +0"084 53
4 Spain F. Aldeguer  Gresini Racing +0"177 55
5 Spain P. Acosta  KTM Factory Racing +0"208 53
6 Spain M. Viñales  KTM Tech3 +0"247 56
7 Italy F. Di Giannantonio  VR46 Racing Team +0"268 47
8 Italy N. Bulega  Ducati Team +0"288 45
9 South Africa B. Binder  KTM Factory Racing +0"338 52
10 Italy P. Bagnaia  Ducati Team +0"358 50
11 Japan A. Ogura  Trackhouse Racing +0"461 64
12 Spain J. Mir  Honda HRC +0"499 37
13 France J. Zarco  Honda LCR +0"521 46
14 Italy L. Marini  Honda HRC +0"543 44
15 France F. Quartararo   Yamaha MotoGP Team +0"554 46
16 Spain J. Martín  Aprilia Racing +0"621 52
17 Italy E. Bastianini  KTM Tech3 +0"918 47
18 Turkey T. Razgatlioglu  Pramac Yamaha +1"294 53
19 Spain Á. Rins  Yamaha MotoGP Team +1"347 33
20 Australia J. Miller  Pramac Racing +1"491 51
21 Brazil D. Moreira  Honda LCR +1"824 57
22 Italy C. Vietti  VR46 Racing Team +3"138 24

バレンシアテスト フォトギャラリー

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