「信じられないほどのプレッシャーに対処できなかった」中上貴晶、初PPレースは苦い結果
MotoGP第12戦テルエルGPで絶好のスタートを切りながら、転倒リタイアに終わった中上貴晶。彼は初のPPからのスタートに“信じられないほどのプレッシャー”を感じたことが、ミスを引き起こしたと語った。
Start action, Takaaki Nakagami, Team LCR Honda leads
Gold and Goose / Motorsport Images
MotoGP第12戦テルエルGPはLCRホンダの中上貴晶にとって、非常に苦い結果に終わるレースとなった。
中上は前日に行なわれた予選で、日本人ライダーとして最高峰クラスで実に16年ぶり、そしてキャリア初となるポールポジションを獲得。さらにそれまでのフリー走行中に示していたレース想定のペースも非常に良かったことから、他ライダーからは優勝候補最右翼だとみなされるまでに至った。
そして注目の集まる中迎えた決勝レースでは、中上にまさかの事態が発生。中上はスタートを決めてホールショットを奪い、そのまま先行かと見られた矢先のターン5で転倒を喫してしまったのだ。
「本当に残念でした」
レース後、取材に応えた中上はそう語った。
「僕はひとつミスを犯してしまい、そしてそのひとつのミスが莫大なツケとなって帰ってきました。本当にガッカリしています。僕はスタート後から最高のパフォーマンスを出さなければならなかったんですが、速すぎました。そういうことです」
「僕としては今となっても、ミスを犯したことが信じられません。ですから自分自身にガッカリしています。ですが、幸運なことに身体は大丈夫です。怪我はありませんでした」
「レース前に、これほど外部からの“信じられないようなプレッシャー”を感じたのは初めてのことでした。そして、僕はそれをどうにかすることができませんでした」
「ですから、このことがあの馬鹿げたミスを引き起こした理由です。将来に向け、僕はこのミスから学ばなくてはいけません」
「フランコ(モルビデリ)が後ろに来ていることはわかっていましたし、それがターン1、そして続くコーナーでラインを閉めていた理由です。ポジションを守ろうと試みていました」
「それでラインをずれてしまいました。実に容易い失敗です。そして上手くコントロールができず……僕としてもあのコーナーでの転倒は少し驚きでした。プラクティスではこうしたフィーリングを持ったことはなかったですから」
「ですがレースでは、ナーバスになりすぎていたのかもしれませんし、自分の気持ちをコントロールできていなかったのかもしれません。ブレーキングの最初の部分でシャープになりすぎていたんです」
そして、中上は次にポールポジションからスタートするとき、プレッシャーをより上手くコントロールする方法を理解するために、今回のレースでのフィーリングを覚えておく必要があると述べ、さらにそれができれば多くのレースで勝てるはずだと語った。
「次にポールポジションからスタートするときは……今日のこの感覚を、そしてアラゴンで1周目にミスを犯したことを思い出さなくてはいけません」
「この経験はこの先多くの助けになると思います。僕らはこの感覚を必要としていますし、この経験を理解する必要があります。どのようにしてこうしたプレッシャーに対処するかが、将来に向けていちばん重要なことなんです」
「今日は残念ですが、僕はそれをコントロールできませんでした。でもこの先それをコントロールできれば、僕たちは多くのレースで勝つことができると思います」
「僕は今日ミスを犯して、自分自身にとてもガッカリしています。ですが自分の将来はとても楽しみに思っています。(今季)残るは3レースだけです。チャンピオンシップについては気にしませんよ」
「僕がレースに勝つか、誰がチャンピオンシップを勝つかは重視していません。楽しんでいきたいんです」
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