ヤマハに”変革”は必要ない? 弱点のトップスピード不足解消も「一歩一歩進めていく」

ヤマハのチームマネージャーであるマッシモ・メレガリは、2022年のMotoGPマシンについて、ヤマハの哲学とは異なるため「大きな変革は目指していない」と語った。

Yamaha YZR-M1, Yamaha Factory Racing

 2021年シーズン、ヤマハのファビオ・クアルタラロは5勝をマークし、フランス人初のMotoGP王者に輝いた。ヤマハにとっても2015年のホルヘ・ロレンソ以来、6年ぶりのチャンピオン獲得となった。

 ただ、クアルタラロがヤマハのバイクに完全に満足しているわけではない。昨年11月にヘレスで行なわれたポストシーズンテストでは、2022年型マシンに大きな進歩がないことに不満も見せていた。

 ヤマハにとって、エンジンパワーとトップスピード不足は以前からウィークポイントだった。しかし現在の主要なライバルであるドゥカティのように、パワーを最優先に開発を進めてはいるわけではないようだ。

 ドゥカティは2022年、サテライトチーム含めて4チーム8台が参戦する。そしてそのうち5台は最新仕様のファクトリーマシンであり、最も精力的に開発を進めている様子が伺える。そしてドゥカティのゼネラルマネージャーを務めるジジ・ダッリーニャは、すでに新しいエンジンからこれまで以上のパワーを引き出すことができていると示唆している。

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 マレーシアで始まるプレシーズンテストを前に、ドゥカティの猛攻に備えるためヤマハにとって最も困難な冬になるのではないかと訊くと、チームマネージャーであるマッシモ・メレガリはトップスピードの改善を追求することはあっても、ヤマハの哲学に変革を起こすことはないと語った。

「ストレートエンドでのトップスピードの向上は、非常に重要な課題だ」

「エンジンだけでなく、空力も改良して、加速とグリップを向上させようと努力している。目的はただひとつ、ストレートエンドでのトップスピードを上げることだ」

「昨年はとにかく高速コースで勝つことができた。カタールでは2勝、ムジェロでは1勝、バルセロナではファビオの問題(レース終盤にレザースーツのファスナーが開いてしまった)が起きる前は、優勝争いができた」

「トップスピードは重要だが、それがすべてではない。ヤマハの哲学として、我々は大きな革命を起こさないようにした」

「なぜなら、今あるものをさらに改良することは簡単なことであり、過去に経験したように、ほんの一歩でも間違った方向に進めば大きな問題が生じるからだ」

「だから我々は学び、革命を起こすことなく、常に一歩一歩成長しているんだ」

 2013年から2020年までの8年間をドゥカティで過ごした後、ヤマハ陣営に復帰したRNFレーシング・ヤマハのアンドレア・ドヴィツィオーゾは、現在のMotoGPで、メーカーが大幅なマシン変更を行なうことはないと考えているようだ。

「今、大きな改革をするのは難しい。なぜなら、チャンピオンシップで、どのマシンも優れていることが確認されているからだ」とドヴィツィオーゾは語った。

「どのマシンも特徴が違うけど、どのマシンも良い。だからこの場合、大きな変化を起こすのはとても難しいんだ」

 
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