6メーカー接戦の現代MotoGP、ひとつのミスも許されない！？　ミラー＆ミルが競争激化を語る

　MotoGPは近年、参戦する6メーカーが史上稀に見るほど激しく競い合っている状況にあるが、ジャック・ミラー（ドゥカティ）は接近した争いの中で追い抜きが難しくなっており、ミスの影響が大きくなっていると話した。　

　2022年も競争の激しさは変わっておらず、これまでの5戦で全6メーカーが表彰台を獲得。4人のウィナーが誕生し、10人のライダーが表彰台に登っている。

　ライダーズチャンピオンシップでも、第6戦スペインGPを控えた段階で首位のファビオ・クアルタラロ（ヤマハ）から6番手のジョアン・ミル（スズキ）までが23ポイント以内にひしめいている。

　そんな上位争いから少し離れた9番手（38ポイント差）に位置しているミラー。彼は現在の拮抗した争いが、ライダーへのプレッシャーを高めているのではないかという問いに同意し、さらにこう答えた。

「間違いなくそうだね。事実として、バスティアニーニ（エネア・バスティアニーニ／プラマック）の先週の落ち込みで、争いが再編された」

「彼は（タイトル争いの）候補として注目されていたと思う。それは彼が基本的に凄く一貫した走りだったからだ」

Jack Miller, Ducati Team

Photo by: Dorna

「だけど先週の落ち込んだ結果によって、多くのライダーが（タイトル争いで）より接近した範囲に入ってきて、状況は大きく変わった」

「多くの勝者が誕生したことを考えたとしても、各ライダーのポイントは凄く接近している」

「だから、残りのシーズンはもっと期待ができると思う。ポルティマオを例にとっても、（レースウィークを通して）ドライで走る時間が10分しかない中で決勝を迎え、（前日の予選よりも速い）1分39秒台で走っていれば簡単にミスしてしまう」

「今のMotoGPのタイムとスピードには、常にプレッシャーを感じさせられているんだ」

「レースで毎周予選ラップのような走りをしているんだ。でもミスを犯すことはできない」

「そうしてプレッシャーに晒されていても、皆が同じように厳しい視線で見られるし、バイクはどのメーカーも競争力を備えている」

「今は追い抜きも難しいんだ。ポルティマオのようなコースはオーバーテイクは難しいし、アルゼンチンやテキサスもそうだ」

「だからミスをしたり、ポジションを落としたりすると、レース結果に対して大きな影響を与えることになる。それはポジションを取り戻すのも昔ほど簡単じゃないからだ」

　こうした競争の激しさについては、2020年王者のジョアン・ミル（スズキ）も同意している。彼は許容されるミスのマージンが狭くなっていると話した。

「ここ数年で、”ミスを少なく”という風潮になっているのは事実だと思う」と、ミルは言う。

「全てがよりタイトになっているんだ。そこではミスをしてしまうことは、歓迎されない。シーズン終盤に多くのポイントを失っている可能性があるからね」

「僕らは表彰台に乗り続けるための一貫性を見出さないといけない。それが次のステップだと思う」

「ポルティマオではチャンスがあった。だからそれを（スペインでも）確認できるかどうか、様子を見てみよう」