“クビ”決めたドゥカティに今では感謝! ペトルッチ「おかげでKTMに移籍できた」
2020年限りでドゥカティを離れ、2021年はテック3・KTMに移籍するダニーロ・ペトルッチだが、彼はシーズン開始前にドゥカティが契約を延長しないことを決めたことに感謝していると語った。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
ダニーロ・ペトルッチはMotoGP2020年シーズン限りでドゥカティを離脱。2021年はテック3・KTMへ移籍する。
2019年にホルヘ・ロレンソの後任として念願のドゥカティ・ファクトリーチームのシートを掴んだペトルッチ。彼はその年の母国戦イタリアGPで劇的な初優勝を収めるなど活躍を見せたが、後半戦では調子を落としてしまった。
そして迎えた2020年シーズン。新型コロナウイルスの影響でMotoGPがシーズン中断中に、ドゥカティはペトルッチとの契約を延長しないことを決定した。
シートを失うことになったペトルッチだったが、彼は素早くKTMとの交渉をスタート。テック3に加入することが6月末に決定し、現役続行のチャンスを掴んだ。結果的には、2020年にミゲル・オリベイラが2勝を挙げたチームへ加入するという、大きな“アタリ”を引いたとも言えるだろう。
ドゥカティ放出が決まっていたペトルッチはシーズン中盤、雨となったフランスGPでキャリア2勝目をマークするなど速さを示した。
ペトルッチはシーズンを振り返り、ドゥカティが契約終了を通達してきた際には“任務”に失敗したように感じたと語る。しかし同時に、ドゥカティが適切なタイミングで決定を下してくれたとも考えているようだった。
「とても、とても妙なシチュエーションだったのは確かだ。でも2020年は起こること全てがとても不思議な感じだったよ」と、ペトルッチは言う。
「振り返ると、ジジ(ダッリーニャ/ゼネラルマネージャー)から僕がもうファクトリーチームに留まれないと電話があった日にはとても、とても悲しかった。だって自分の任務に失敗したように感じられたからね」
「だけど今になって考えれば僕は彼に感謝しないといけないだろうね。なぜなら彼の決定によって、僕は別メーカー、それも本当に競争力のあるメーカーに移ることができたんだから」
「シーズンのはじめには、誰もKTMがここまで速いとは思っていなかった」
「でも今では、結果が示している。だから僕はジジがシーズン序盤に解雇を決めてくれたことを嬉しく思っているんだ」
彼の言葉通り、2020年シーズンのKTMは一気に躍進。KTM陣営はシーズンで計3勝、表彰台も5回獲得と強豪と言えるチームに成長した。ただペトルッチにとって痛いのは、この躍進によってこれまでチームが享受してきたコンセッション(優遇措置)喪失が決まったことだろう。
コンセッションを失うことによって最も影響を受けるのは、レギュラーライダーによるテストの自由がなくなるという点だ。つまり、ペトルッチは長年を過ごしたドゥカティからKTMへの乗り換え作業を、2月のセパンテストまで待たなければならない状況となってしまった。
「残念なことに、彼らはコンセッションを失ったことで自由なテストは行なえない。つまり僕は2021年の2月になってからバイクを試さないといけないんだ」
ペトルッチは2020年最終戦ポルトガルGPでそう語った。
「でも今度(ポルトガルGP終了後)風洞施設に行く予定なんだ。例えば2020年は最高速が問題になっていたからとても重要になると思う」
「だからそうした側面に取り組むことが重要なんだ。あと僕もバイクのブランドを隠さずにモトクロスをやるつもりだよ!」
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