ワイルドカード禁止はホンダの差し金? ロレンソ“復帰”を嫌ったとの憶測も
ドゥカティのテストライダーであるミケーレ・ピッロは、MotoGPが今季のワイルドカード参戦を禁止したことについて、ホンダがホルヘ・ロレンソがヤマハから出走することを望んでいないことと関係しているのではないかと述べた。

2020年のMotoGPは、ワイルドカード参戦に注目が集まっていた。それは昨年限りで現役を引退しながら、古巣のヤマハにテストライダーとして戻ったホルヘ・ロレンソが、”ワイルドカード”でレースに復帰することが決まっていたからだ。
しかし今月になり、MotoGPは今季のワイルドカード参戦を中止すると発表。これは、新型コロナウイルスによって中断されたシーズンの再開を目指す中で、パドックに立ち入る人数を最小化することの一環である。
これによってロレンソがレースに復帰した姿を、今季中に見ることは叶わなくなってしまった。もっとも、ワイルドカード参戦の禁止は、ヤマハ以外のメーカーにとっても、開発プランを混乱させるものだ。
たとえばドゥカティはテストライダーのミケーレ・ピッロを年間を通じてワイルドカード参戦させることで、開発データを収集してきた。昨年はイタリア、サンマリノ、バレンシアと計3戦に出場。そして今年も同様の計画を立てていた。
そのピッロは、今回のワイルドカード参戦禁止の決定を強く批判。ホンダがその決定に影響を及ぼしたのではないかと考えを示唆した。彼はホンダが、ロレンソが引退してすぐにヤマハでテストライダーとしての役割に就き、さらにワイルドカード参戦することを望んでいないと考えているのだ。
「かなり失望している」と、ピッロはMotosprintに語った。
「こうした大きな決定を早々に下すことは、正しくない。というのが僕の見解だ」
「これが誰かに“何かを”思い知らせる方法なのかどうかはわからない。でもこれがフェアだとは思わない」
「この決定がシーズンの始まる1ヵ月前に決定されていたなら理解できる。でも僕らはまだいつチャンピオンシップが始まるか、何レースできるのかも分かっていないんだ」
「ホンダはロレンソに対して、ヤマハへ行った代償を支払わせたいのかもしれない。でも僕は大金を稼いで家にとどまれるロレンソじゃないんだ。僕はまだ、MotoGPでできる多くの事があると思う」
しかしホンダのテストライダーであるステファン・ブラドルは、今季のワイルドカード参戦禁止の決定に理解を示している。
「今年は2〜3戦に出場したかったから、少し残念だ」と、ブラドルはレッドブルの所有するServusTVに語った。
「だけどこの決定は理解できる。今年はとにかく特殊な状況だからね。僕らはみんなウイルスによって制限を受けている。この決定も理解できるよ」
「今はとても静かだ。それがまた、物事がどうなっていくかの不確実性を生み出している。でも最終的にはすぐにレースが再開されることを望んでいるし、テストライダーとして再び少しでも仕事ができることを願っている」
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