後輩たちの活躍が重圧に……KTM初表彰台に男泣きのエスパルガロ

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後輩たちの活躍が重圧に……KTM初表彰台に男泣きのエスパルガロ
Valentin Khorounzhiy
執筆: Valentin Khorounzhiy
2018/11/19 23:00

KTMのポル・エスパルガロは、最終戦バレンシアGPで、KTMに初の表彰台をもたらした。これについてエスパルガロは「信じられない」と語ると共に、後輩たちの好結果からプレッシャーを感じていたと語った。

 KTMにMotoGP初の表彰台をもたらしたポル・エスパルガロは、レース序盤に転倒したにもかかわらず、表彰台を得ることができたという好結果について”信じられなかった”と語る。

 バレンシアGPの予選で6位となったエスパルガロは、大雨となった決勝でもKTMとしての最高順位を目指していた。ただ、今年のチャンピオンであるマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)とポジションを争っていた際に転倒。18番手でコースに復帰すると、フロントのウインドスクリーンが割れた状態にもかかわらず順位を上げていった。

 天候悪化による40分間の赤旗中断の後、彼は2度目のスタートに向けて8番グリッドに並んだ。そして再スタート後には4番手を走っていたが、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)が転倒したことで、3位の座を手に入れた。

「現実に起きたことだとは思えないよ」

 そうエスパルガロは語った。

「レースの序盤は良い感じだった。正直に言ってこの週末の間ずっと、ウエットコンディションで僕は速かったし、いくつか良いラップも走ることができた」

「マルクと対峙して、僕は戦っていた。彼のリヤタイヤに問題があるのが見えたんだ。また、彼には他のライダーと同じだけのグリップがないことが分かった。コーナーのイン側から彼を抜こうとしたけど、マルクはとてもハードなブレーキングをしていたし、ホンダは実に加速が良い。だから僕は抜けなかった」

「何らかの理由で、僕はターン2で速かった。そこで頑張る必要はなかったんだけど、他のところでプッシュしてみた。そして、驚くべきクラッシュをしてしまったんだ。激しいハイサイドだった」

「バイクはフェアリングを失ってしまった。でも、最後尾から7番手か8番手まで浮上したんだ。僕はとても興奮していたよ。どうやってそんなことができたのか分からない。だってストレートでは、ほとんど何も見えなかったからね。風もすごかったから、首に問題があった。フェアリングなしでそれに対処するのは、不可能だった」

「そんな大きなクラッシュの後でも、マシンは大丈夫だった。そして、レッドフラッグが振られた。その時、僕は自分自身に言い聞かせたんだ。『僕にチャンスが向いてきた。しっかり手にしよう』とね」

 今回のバレンシアGPでは、Moto2クラスではミゲル・オリベイラが、Moto3クラスではジャン・オンジュが優勝を果たした。どちらもKTMのライダーである。この好結果を受けたエスパルガロは、大きなプレッシャーにさらされていたという。

「自分のレースを待っている時、僕はテレビ番組を見ていた。そして天候を見て、少し心配していた。その上、彼ら(Moto2とMoto3のKTMライダー)が素晴らしいことをしていた」

「自分の中では、良い結果を残さなければ、馬鹿げて見えるだろうと思っていた。そしてテレビのコメンテーターが、『ポルにどんなことができるのか、見てみることにしよう』と言っていた。僕はそれについて『そんなことは起きない!』と思ったんだけど、結果的にはやりきったんだ」

 エスパルガロはレース後、ヘルメットのバイザーを上げ、目頭を押さえながらピットに戻ってきた。泣いていたのだ。これについて彼は、Moto2でタイトルを獲った時以上に感動的だったと語る。

「Moto2でも、125ccクラスでも、僕は優勝もしたし、安定して表彰台にも登っていた。そして人間とは愚かなもので、こういう良いことが起こり続けると、それに慣れてしまうんだ」

「その後で世界チャンピオンになった時にも、それをとても楽しんだ。信じられなかった。とても感動的だった。でもそれは、今日ほどじゃないんだ」

「今日成し遂げたことは、とても難しいことだった。僕らは何度も、今回のようなことに挑み続けてきた。そしてこのバイクは新しいし、KTMだって参戦したばかりだ……非現実的なことだった」

「世界チャンピオンになった時よりも感動的だったと思う。ただ3位になっただけだけど、信じられなかったんだ」

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この記事について

シリーズ MotoGP
イベント バレンシアGP
ドライバー ポル エスパルガロ
チーム レッドブル・KTM・ファクトリー・レーシング
執筆者 Valentin Khorounzhiy