空力、車高調整……開発競争激化のMotoGP、新規参戦のハードル高すぎ? スズキの”穴”埋めるメーカーは現れるか

レプソル・ホンダのポル・エスパルガロは、技術的なレギュレーションから現在のMotoGPは参戦を望むメーカーにとっては「多額の資金を持ち、勇敢な者でなければならない」として、スズキの撤退後のMotoGPへの警鐘を鳴らしている。

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 MotoGPの最高峰クラスは2022年現在、6つのメーカーが参戦し激しい戦いを繰り広げている。しかし、スズキが今シーズン限りでの撤退を検討していることが明らかとなり、その数を減らすことになってしまった。

 スズキの撤退が報じられたあと、MotoGPを運営するドルナ・スポーツは声明を発表。そこでは欠けることになるグリッドについて、インディペンデントチームや他メーカーから強い興味が寄せられていると記されていた。

 ただMotoGP参戦について公言しているメーカーは現在確認されていない。長年MotoGPに参戦しているホンダからレースを戦っているポル・エスパルガロは、現代のMotoGPの空力やライドハイトデバイスといった開発トレンドによるコストの上昇が、メーカーの参戦を思いとどまらせる要因になっていると持論を述べた。

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 最近のレースでは空力開発やライドハイトデバイスにより、MotoGPにおけるオーバーテイクがいかに難しくなっているかが語られており、エスパルガロの持論はその中で出てきた発言となっている。

 第8戦イタリアGPを前に、前述のような要素を規制できるとしたらどれを選ぶかと訊かれたエスパルガロは、「両方だ」と答え、こう続けた。

「両方だよ。なぜ僕らは速くなるために、こうしたモノを使っているんだ?……分かっている。速くなるため、それだけだ」

Pol Espargaro, Repsol Honda Team

Pol Espargaro, Repsol Honda Team

Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images

「僕らはラップタイムを速くすることを望んでいるけど、3秒も速くする必要があるのだろうか? 『ストレートエンドに時速350km以上で行く必要がある』だとか、『このコーナーでは0.5秒速く曲がる必要がある』だとか言われることになるんだ」

「僕が言いたいのは、何かを追加して、わざわざ困難にしようとしている人は居ないということだ」

「でも今の状況には、更に問題があると思う。それは新規参入メーカーに対してだ」

「ウイングが、ライドハイトデバイスがどう機能しているかを、そして空力と共に電子制御がどう機能するかを判断するのが、どれ程難しいか知っているだろうか」

「その開発はとても厄介だけど、とても重要なモノなんだ。だから新メーカーが参入するなら、彼らは非常に勇敢であることが必要だし、風洞やウイングの製作なんかに多額のお金を費やさなければならない。もしそれを排除したら、ただの売るためのバイクになってしまう」

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「ドゥカティのストリートバイクを一般道で目にするだろう……MotoGPバイクはそれとはかけ離れている。ホンダやヤマハと比較してもね」

「でもドゥカティはより(MotoGP)バイクに色々な工夫をする。それはルールで許されていることで、何かに違反しているわけじゃない。それが状況をとても難しくしている。新しいメーカーにとって、大きな問題なんだ」

 エスパルガロは、MotoGPにおける技術的な進歩が市販車へ影響を及ぼしていることを認めてはいる。しかし、現在の空力パッケージに関しては、市販車と全く関連がないと考えている。

「ストリートバイクで、ドゥカティのに似た空力のウイングを、どれ程見たことがある?」

「パニガーレには小さなウイングが付いている。でも僕が言いたいのは、それらに何の意味が、ということだ。ストリートでもより人々が使いやすいバイクを作ろうということなんだよ」

「でもこうしたウイングやエアロダイナミクスを使って、ストリートで使いやすいバイクを作っているのか? それともストリートを走っている人たちにやっているのか?」

「僕らはストリートで命を救う電子制御を改善してきた。ブレーキやパワーデリバリー、スムーズさやグリップ、ブレーキ安定性などもそうだ」

「でもウイングは、ストリートで何に影響するんだ? 僕の考えでは、ウイングはよりトリッキーにするものだ。もちろんMotoGPでもだが、MotoGPはプロトタイプ(による争い)だ。だから問題ないんだ」

 
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