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勝てないのは“最高速”の遅さが原因? ヤマハM1の問題点指摘するクアルタラロ

ペトロナス・ヤマハSRTのファビオ・クアルタラロは、YZR-M1のパワーが欠けていることからレースでライバルをオーバーテイクすることが難しいと認めた。

Fabio Quartararo, Petronas Yamaha SRT

Fabio Quartararo, Petronas Yamaha SRT

Gold and Goose / Motorsport Images

 ヤマハ勢は今シーズンこれまでに、ファクトリーチームのマーベリック・ビニャーレス、ペトロナス・ヤマハSRTのファビオ・クアルタラロとフランコ・モルビデリの手によって合計4勝を記録している。

 今シーズン他に優勝を記録しているのは1勝のドゥカティと2勝のKTMだけ。ヤマハ勢の4勝は、他と比較すると高い勝率であると言える。にもかかわらずYZR-M1には問題があり、それはレース中のオーバーテイクを苦手としている部分だとクアルタラロは指摘する。

 その原因となっているのが他メーカーと比較した際のパワー不足だ。実際、直近のミサノ・サーキットでのレースでは、最高速においてドゥカティから11km/h以上劣っていた。

 この差によりヤマハはストレートで苦戦し、ブレーキングでしかライバルと勝負することができず、結果としてM1の強みであるコーナリングでのパフォーマンスを活かしにくくなっている。

 前戦エミリア・ロマーニャGPではクアルタラロは決勝レースの大部分をポル・エスパルガロ(KTM)の後ろで過ごし、残り3周というタイミングまで追い抜きを仕掛けることができなかった。そしてその攻防に長い時間を費やしてしまったことでジョアン・ミル(スズキ)の追い上げを許し、最終的にそのミルに2位を与えることに繋がった。

「僕らは他のライダーをオーバーテイクするのにかなり苦戦している。マーベリックのように初めからレースをリードすることができなければ、レースに勝つことは難しい」

 クアルタラロはそう語った。

「僕が勝った2戦も、そういった形だったんだ」

「誰か僕らより優れたエンジンの持ち主の後ろにつけているとき、本当に上手く戦うことができない。だから(エミリア・ロマーニャで勝った)マーベリックは流石だよ」

「バルセロナでどうなるか見てみよう。大好きなトラックだからね。ただ1キロのロングストレートがあるから、どう考えたらいいことやら……」

「でも本当に楽しみにしているコースなんだ。良い何かを得られると思う場所だからね」

 エミリア・ロマーニャGPで優勝を果たしたビニャーレスも、クアルタラロのこうした言葉に同意している。曰く、決勝日朝のウォームアップセッションで似た経験をしたという。

「正直に言って同意見だ」と、ビニャーレスはクアルタラロのコメントについて語った。

「朝(のウォームアップで)、僕は何人かのライダーの後ろについていた。そして僕らよりも(直線が)ちょっと速いだけで、オーバーテイクはできなかった。僕にできた唯一のことは、ブレーキを発熱させることだけだった。タイヤの内圧をコントロールすることも難しかったんだ」

「だから今のところ、僕らの弱点はそこだ。だから追い抜かれたときにどう反撃するか、その術を見つけ出す必要がある」

「ウォームアップではちょっと憤っていた。だってもし(ジャック)ミラーが前にいたら、僕に何ができるというんだ?」

「もう少し速いだけなら、僕は残りの周回で彼を追い抜くことはできなかった」

「だから僕の目標は“最初”だった。そして1周目をトップで終えて『よし、今僕は自分のリズムを刻む必要がある』と考えたんだ」

「先頭でレースを始めることができるなら、それはまた別の形のレースになるんだ」

 

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