“まさか”失速のクアルタラロ、原因は腕上がりと認める。母国戦フランスGPに向けた対処は未定
ヤマハのファビオ・クアルタラロはMotoGP第4戦スペインGP決勝で、先頭を走りながらも中盤に一気にペースを落とし、勝利を逃した。彼はこの失速について、腕上がりの症状が出てしまったためだと認めた。

ヘレス・サーキットで行なわれたMotoGP第4戦スペインGPでは、ヤマハのファビオ・クアルタラロが勝利に近づいていたが、中盤に大きく失速。彼はその原因が腕上がりにあったと認めた。
クアルタラロは2戦連続でポールポジションを獲得すると、ホールショットこそ奪われたものの4周目には先頭に浮上。そのまま後続のジャック・ミラー(ドゥカティ)などを引き離しにかかり、1秒以上のリードを築いていた。
3連勝は堅いかと思われたクアルタラロだったが、彼はレース中盤の14周目にそれまで1分37秒台のラップタイムから、1分39秒台の遅いタイムへとペースが急落。ミラーたち2番手以下に対して次々と追い抜きを許すことになり、最終的に13位でゴールと、ポイント獲得が精一杯だった。
この急失速に関しては、マシンの問題というよりもクアルタラロに腕上がり(コンパートメント症候群)が発生したのではないかと見られていた。レース後の取材に対し彼もそれを認めた。
「右腕に大きな問題を抱えていたのは明らかだった」
クアルタラロはレースで何が問題となっていたのかを訊かれると、そう答えた。
「先頭集団にもとても楽についていけたし、1周目に4番手でもすぐにオーバーテイクもしていけた……だから残念だ」
「ペースに関しては快適なものだったよ。今週末は素晴らしいペースを発揮できていたんだ。でも腕に力が入らなかった」
「結果には凄くがっかりしている。でもペースも良かったし、たとえ3ポイントでも最後まで戦うことができた。だからポジティブでいないとね」
なおクアルタラロはMotoGPクラスのデビューイヤーである2019年に、腕上がりの手術を受けている。2週間後の5月14日からは第5戦フランスGPが開催予定で、クアルタラロは腕上がりの問題に対しどう対処するかの決定を迫られている。
彼とチームはフランスGPに向けては選択肢の評価をしていると言うが、まだどうするかは決めかねているようだ。
今回浮上した腕上がりの問題はどう対処するのか? それを訊かれたクアルタラロは「分からない」と答え、次のように続けた。
「その質問に対しては答えられないよ。脳みそが今は働いていないんだ」
「考えすぎているし、あまり悩みたくはない。もう既にマネージャーや親友がベストな選択肢を探してくれているんだ」
「だから僕に何か考えがあるわけじゃない。ただ腕には問題があるから、何かが立案されているのは確かだ」
「去年、ポルトガルでのレースは大惨事だったけど、今年は完璧だった。ここヘレスではこれまでに問題を抱えたことはなかった。でも今年は問題を抱えてしまったんだ」
「ちょっと理解できない。選択肢についてはすごくたくさんあるから、まだ考え中なんだよ」
「あそこだ、いいやあっちだと、頭の中はパンパンで、今は実際迷子みたいなんだ」
なおスペインGPでは6位に入ったアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)も腕上がりの症状が出ていたという。腕上がりの問題はMotoGPライダーの多くが経験しており、今回優勝したジャック・ミラーも第2戦ドーハGP終了後に手術を受けたばかりだ。
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