MotoGP カタルニアGP

「契約延長は簡単な決断ではなかった」クアルタラロ、ヤマハ離脱も真剣検討していた?

ヤマハと契約延長に至ったファビオ・クアルタラロだが、その判断は簡単なものではなかったと語っている。

Fabio Quartararo, Yamaha Factory Racing

 6月2日、ヤマハはファビオ・クアルタラロと2年間の契約延長に至ったことを発表。これによりクアルタラロは2024年までヤマハに留まることになった。

 クアルタラロは”数週間前”に契約に署名したというが、その決断は簡単なものではなかったと語っている。

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 彼は2021年にヤマハで王者に輝いたものの、マシンのパワー不足などに不満を示しており、移籍の可能性も示唆していた。実際、彼は契約延長が遅れた理由の一部が「ある段階で考えが片方に向いていた」ことにあったと述べている。

 最終的にはヤマハでの契約延長となったが、彼はヤマハのエンジン開発部門が2023年型マシンに向けて、よりパワーをもたらせるよう、リソースを割いてくれていることが、決断の要因となったと説明した。

「簡単な決断じゃなかった。プロジェクト全部を評価するのに少し時間が必要だったんだ」と、クアルタラロは言う。

「そして最終的に、ヤマハは多くの努力を注ぎ、新しく人をたくさん雇ってくれた。それに彼らは改善の必要な部分を理解しているんだ」

「過去2~3年間、ヤマハはいくつかの部分に取り組んできたけど、明らかにパワー面で改善が必要だというのを彼らも分かっているんだ」

「すごく嬉しいよ。彼らがしっかりとそれを理解してくれていて、欠けている物を手に入れようとベストを尽くしてくれているんだ。僕がこのプロジェクトを信じているから、この決定を下したんだ。(決断は)ここ数日の話ではなく、数週間の話だ。でももちろん、良い決断だった」

「僕の第一の目標は話してきたように、ベストなバイク、ベストなプロジェクトを手に入れることだった。新しいスタッフや、懸命な努力、そして改善すべき場所を知っていること……彼らは僕のことを納得させてくれた」

「過去には他の部分に取り組んでいたし、実際にはライバルより遅いバイクというのを受け入れていなかったのかもしれない」

「でも今、ヤマハは明らかに弱点に取り組んでいる。それがヤマハに留まることに決めた理由だ」

 クアルタラロは2022年も、ヤマハ陣営の中では傑出した存在となっている。これまでに8戦が行われたが、ポルトガルGPで優勝し、表彰台を他に3度獲得。チャンピオンシップでは首位を走っている。

 一時はヤマハ以外との契約に興味を持っていたことを認めたクアルタラロだが、ポルトガルGPで優勝を含む最近の好結果や、上層部からの保証が、契約延長に向かわせたと語っている。

「ご想像のように、僕らはヤマハとだけ話していたわけじゃない。ある段階では他の方向を向いていたこともあったし、次の週にはそこに行きたいと思ったりで、ちょっと大変だった」

「エンジニアがエンジン側に回ってくれたこと、そして僕自身も素晴らしい結果を残している。でもエンジンのパワー不足によってこれ以上はできなかったのも理解している」

「そして、彼らがよりパワーを出そうと努力してくれているのも分かっている。そしてバイクには良いフィーリングがあるから、この決断に従ったんだ」

 なおヤマハは現在、フランコ・モルビデリと2023年までの契約を結んでいるため、来季のシートはひとまず確定している。また、2023年はRNFがアプリリアへ乗り換えるため、ヤマハ陣営はファクトリーチームの2台のみでレースに臨むことになる。

 
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