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クアルタラロ、MotoGP連覇は窮地に。運命のバレンシアに向け「ポイント差が開いていても、僕はタイトルを諦めない」

ファビオ・クアルタラロはMotoGPのタイトル争いで非常に厳しい状況に追い込まれているが、最終戦バレンシアGPでのタイトル獲得を諦めていないと話した。

Fabio Quartararo, Yamaha Factory Racing

写真:: Srinivasa Krishnan

 ヤマハのファビオ・クアルタラロはMotoGP2022年シーズンのタイトル争いで、非常に厳しい立場に追い込まれている。しかし最終戦バレンシアGPでの逆転を諦めていないと彼は語る。

 クアルタラロは第18戦オーストラリアGPでノーポイントに終わったことで、ライバルのフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)に逆転を許した状態でマレーシアGPに臨んでいた。

 そのマレーシアGPで、クアルタラロは3位でフィニッシュ。左手中指を骨折していることを考えれば大戦果だろう。しかしバニャイヤが優勝したことで、ポイント差は23点まで拡大。最終戦バレンシアGPに向け、バニャイヤには大きなアドバンテージを築かれてしまった。

 決勝レース後、バニャイヤはスタートでポジションを大きく上げたバニャイヤの姿を見て、序盤にアグレッシブに攻めなければと考えていたという。そして、点差が開いていても、タイトル争いを諦めてはいないと語った。

「スタート、そして1周目がキーポイントだった」と、クアルタラロは言う。

「オーストラリアと比べて、少し戦略を変えたんだ。前回は終盤に向けてタイヤライフを残そうとしていたけど、今日は序盤からハードにプッシュしていた。僕らのバイクはタイヤをセーブするのがあまり得意ではないのも理由にあった」

「マルク(マルケス/レプソル・ホンダ)を追い抜くまでに3、4周プッシュしなければならなかった」

「ペッコ(バニャイヤの愛称)はターン1へのブレーキングで本当に凄かったのを見ていたんだ。それで『タイトル争いのチャンスを逃したくないなら、何かしなくちゃ』と思った」

「それで、素晴らしい1周目にすることができたんだ。たとえポイント差が開いていても、僕は諦めない。バレンシアでは良い形でフィニッシュしたいね」

Enea Bastianini, Gresini Racing, Francesco Bagnaia, Ducati Team, Fabio Quartararo, Yamaha Factory Racing

Enea Bastianini, Gresini Racing, Francesco Bagnaia, Ducati Team, Fabio Quartararo, Yamaha Factory Racing

Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images

 なおクアルタラロはレース中盤、4番手を走るマルコ・ベッツェッキ(VR46)に接近され、一時は0.5秒以下の差にまで詰め寄られていた。

 もしクアルタラロが4位フィニッシュとなっていた場合、バニャイヤは最終戦を待つこと無くタイトル獲得を決めていた。そういったポイント事情から、クアルタラロも”死にものぐるい”でプッシュしベッツェッキから逃げていたという。

「最終的に1.5秒差になったけど、コンマ2秒、コンマ3秒差にまで彼には追いつかれてしまっていた」

「それで、僕も死にものぐるいでプッシュしたんだ。彼に追い抜かれてしまって、ペッコが勝とうものなら、彼が世界チャンピオンになるというのは分かっていたからね」

「それから特に、表彰台を獲得したかった。もし彼に追い抜かれたとしても、抜き返すことはできただろう」

 なおクアルタラロが最終戦で逆転しタイトルを獲得するためには、優勝が最低条件だ。その上でバニャイヤが下位に沈む必要がある。しかし彼はバレンシアGPに向けた主な目標は”楽しむこと”であり、最高の結果を期待しているという。

「極限まで準備していくよ。タイトルを勝ち取るための唯一の方法が勝利することだっていうのは知っている」

「ただバレンシアは今シーズン最終戦だし、楽しみたいとも思っている。それでどうなるか、だね」

 
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