感情むき出しのクアルタラロ、昨年からは一変「冷静さがタイトルをもたらした」
新たなMotoGP世界王者となったヤマハのファビオ・クアルタラロは、第6戦イタリアGPでの優勝で得た自信がタイトル獲得に向けた“キーポイント”になったとし、冷静さを保ち続けた今シーズンを振り返った。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
MotoGP第16戦エミリア・ロマーニャGPでは、チャンピオンシップを共に争っていたフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)が残り4周で転倒リタイヤを喫したことにより、2021年シーズンのチャンピオンがヤマハのファビオ・クアルタラロに決定した。
今大会、クアルタラロはキャリアワーストの15番グリッドから決勝レースをスタート。レースでは着実にポジションを上げ、最終ラップではルーキーのエネア・バスティアニーニ(エスポンソラマ)に表彰台を奪われるも、フランス人初のMotoGP王者に輝いた。
クアルタラロは今シーズンこれまで、5回の優勝を含む、10回の表彰台を獲得。第16戦を終了した時点で開幕戦からの全レースにおいてポイントを獲得するなど、非常に安定した成績を収めている。
彼はその中でも、タイトル獲得に向けて重要なポイントとなったレースに第6戦イタリアGPを挙げた。ストレートスピードで劣るヤマハのマシンでムジェロを制したことが、自信を取り戻すことに繋がったと語っている。
「キーポイントとなったのはムジェロでの優勝だ。なぜならバニャイヤがとても強かったからだ。彼は2周目にミスをしてしまったけどね」
「そして、ヨハン(ザルコ/プラマック)と戦い、それが自信を取り戻すためのキーポイントになったと思う」
Fabio Quartararo, Yamaha Factory Racing
Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images
タイトル獲得が決まった2021年シーズンは、昨シーズンとは対照的な結果となった。2020年シーズンでは、6戦を残した時点でチャンピオンシップをリードしていたのにも関わらず、最終的にはランキング8位にまで低迷する結果となっていたからだ。
クアルタラロは2021年シーズンに困難な状況下に陥った時でも冷静さを保てるよう、オフシーズンの間にスポーツ心理学者のもとを訪れたと語ってきた。そしてそのことが今シーズンのチャンピオンシップでの成功にどれほど役に立ったのかを改めて説明した。
「今シーズンに関しては、怒ることは本当になかったと思う」
「覚えているのは、昨年のバレンシアでバイクが全く動かなくなってしまい、ボックスに戻ってクルーチーフに言ったんだ。『ダメだ。曲がらないし、ブレーキが掛けられない。それに加速もできないんだ』ってね」
「でもその後、僕のクルーチーフから、『わかった。今怒っているようだけど、何が起こっているのかを教えて欲しい。もし何かを改善する必要があるのなら、ブレーキング、ターン、コーナー出口の改良を加えられるから』って言われたんだ」
「だから僕は『そうだね、その通りだ』って言ったよ。そう、僕には考える必要があったんだ。それに怒っていると自分の問題点を説明することができないからね」
「今シーズンは常に問題があった。アッセン(第9戦オランダGP)のFP2でのことをよく覚えているね。マーベリック(ビニャーレス/当時ヤマハ)が僕たちより0.5秒速かったけど、そこで冷静さを保ち優勝できたんだ」
「冷静さがあのような結果をもたらしたことを目のあたりにすると、そんな風に考えたくなるものだ」
「例え悪い状況下にいたとしても、落ち着きがあれば、そこから一歩を踏み出すことができる。冷静でいることが自分を大きく成長させてくれたと思う。だからこそ、今年は冷静にいられるんだ」
「もちろん、そうなれない瞬間もある。昨日(土曜日)のように予選を15番手で終えた時は非常に腹立たしかった。怒鳴ることもできただろう。ただ、Q2で必要以上のリスクを取りたくなかった。だから(予選を)15番手で終わってしまったんだ」
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