MotoGPの開発一部凍結はプラス? アレックス・リンス、スズキの安定性を信頼
スズキのアレックス・リンスは、MotoGPの2021年シーズンに向けたテクニカルレギュレーションの安定性が、スズキにとってプラスだと考えている。


スズキのアレックス・リンスは、2021年のMotoGPが新型コロナウイルスの影響を鑑みて開発を凍結させていることが、チームにとってプラスの要素になると考えている。
昨年から現在に至るまで世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス。MotoGPもその影響を受けスケジュール変更を強いられたが、2021年に向けたレギュレーションの面でもウイルスの影響は避けられなかった。
MotoGPはパンデミックによる経済的影響を考慮し、2021年シーズンのテクニカルレギュレーションを一部変更。その結果、エンジン開発と空力開発に制限がかかることになった。
2021年に関しては、コンセッション(優遇措置)の適用を受けていないメーカーは、2020年のエンジンを継続使用する。また空力のアップデートも許されているのはシーズン中に1度のみとなった。シャシー等その他の部分は開発が可能だが、こうした規則によって2021年のマシン開発は劇的なものにはならないと考えられる。
そしてこうした規則の安定性が、昨シーズンを通じて一貫性のある走りを見せてきたスズキにとっては利益となるのではないか……アレックス・リンスはそう考えている。
「それ(2021年のレギュレーション)は恐らく僕らにとってアドバンテージになる。うちにはとても良いベースがあるからね。それにグランプリ初日に作業を始めるたびに、セットアップの判断を下すことができる」
motorsport.comに今季のレギュレーションについて訊かれると、彼はそう答えた。
「マシンは全部を変えるわけじゃないけど、一部を変更することになる。だからメリットがあるかもしれない。けれど今季はライバル達もとても強いはずだ。だってみんなバイクは去年と大体は同じで、セットアップも多かれ少なかれ揃っているんだからね」
「僕としては毎年毎年大変になっていると思う。2019年には『オーケー、今年のレベルは凄い高かった。2020年はどうなるか見てみよう』と思っていた。そして2020年にはレベルが更に上がったんだ。だから2021年にどうなっていくか様子を見てみよう」
昨シーズン、スズキはジョアン・ミルの手によって最高峰クラスで20年ぶりのタイトルを獲得。今季、リンスはチャンピオンであるチームメイトと争っていくことになる。
ただリンスはこの状況でかかるプレッシャーは“良いプレッシャー”だと捉えている様子だ。
「僕らがいいバイクを手にしていることは分かってる。うちのバイクは去年のチャンピオンシップで優勝したバイクなんだ」と、リンス。
「だから僕の能力すべて、経験すべてをかけて良い年にしたい」
「ミルが隣に居るのは良い挑戦だよ。世界チャンピオンが隣に居るんだからね。彼は王座を守るために水準を維持しようとするだろう。だから僕がそこにたどり着けるか、もしくは彼と戦って王者になれるかどうか、見てみよう」