RNFヤマハの”飛び級”ビンダー起用、リスク大きいとチーム代表認めるも「ポテンシャルがある」と期待感
RNFヤマハのラズラン・ラザリ代表は、2022年にMoto3からMotoGPにステップアップするダリン・ビンダーについて”大きなリスク”があると認めつつも、彼にはポテンシャルがあるという見方を示した。
写真:: RNF Racing
2022年、RNFヤマハはアンドレア・ドヴィツィオーゾの僚友としてダリン・ビンダーを起用する。彼は2015年のジャック・ミラー以来の、Moto3クラスからMotoGPに昇格する“飛び級“ライダーとなる。
前例の少ないこの飛び級に対して不安視する向きもある。さらに、ビンダー自身がMoto3でのレースを通じてあまり”お行儀の良い”ライディングをするライダーではなかったこともそれに拍車をかけている。
特に2021年のポルトガルGPでは、当時ポイントランキング2番手でまだタイトル獲得の望みをかけて争っていたデニス・フォッジアに、ブレーキングで止まりきれずに接触。フォッジアのタイトル獲得の希望を断ってしまったため、論争の的にもなった。
RNFのラズラン・ラザリ代表はビンダーの起用について”大きなリスク”を孕んでいることは認めた上で、才能を持つライダーであり、チームとしてそのポテンシャルを信じているという考えを示した。
「現時点では、チームマネージャーのウィルコ(ズィーレンベルグ)と、彼のクルーチーフとで、アプローチや方向性など、ダリンの成長を築いていくことになる」
ラザリ代表は、チーム発表会での取材に対し、そう答えた。
「我々は彼に時間を与えていくし、プレッシャーに晒すつもりはない」
「もちろん、Moto3クラスから直接MotoGPに上ってくるライダーに批判はつきまとってくるだろう」
「それは考えられることだ。しかし我々は彼のことを信じているし、ダリンにはポテンシャルを見出している」
「そうだ。我々にとって、そして何よりダリンにとっては大きなリスクがある。だが我々には能力があるし、彼の周囲には経験有る人材が集まっているし、チームも彼を適切に導くための十分な経験がある。レースごとに彼がどう進歩していくかを確認していくことになる」
「最も重要なことは、彼がキチンと進歩することだ。何が起こるかは分からないが、これはスポーツで、MotoGPだ。彼には皆を驚かすことができる可能性がある」
またビンダー本人もMotoGPへの飛び級にリスクがあることは認めている。ただそれでもMotoGPクラス挑戦は自身の夢であったため、オファーを受け入れない選択肢はなかったと感じているという。
「当然だけど、僕にとって夢が現実になったんだ」と、ビンダーは言う。
「誰もがいつかMotoGPでレースをしたいと思っている。だからこうしたチャンスを与えられたら、それを手放すなんてのは無理なことだ」
「人生で経験したことのない素晴らしいチャンスだ。だから僕は両手でしっかり掴んだよ」
「もちろん、複雑な感情やいろんなコメントがあった」
「でも自分の人生の夢を受け入れないなんて、馬鹿だ。僕は人生を賭けて一所懸命にやってきた。誰かがチャンスを与えてくれたなら、それを受け入れて最大限活用することが必要なんだ。MotoGPに参加できて、本当に嬉しいよ」
「世間では色々言ってくれているけれど、僕は気にしない」
「メンタルコーチはつけていないけど、僕には間違いなく必要ない。僕は本当に幸せな人間だし、戯言を楽しむつもりもない」
「普段通りなんだ。新シーズンには、いつものようにアプローチしている。当然トレーニングについてはいくつか変更しているけれどね」
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