MotoGP

バレンティーノ・ロッシ、”政治的に正しい”今のMotoGPに距離を置く「愛好家のためのカテゴリーに戻っていった」

MotoGPレジェンドのバレンティーノ・ロッシは、現在のレースシーンを「政治的に正しい」と表現し、かつての競争環境を懐かしんでいる様子だ。

Mario Fritzsche

公開日時: 2023/04/27 2:59

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Valentino Rossi, Petronas Yamaha SRT

 MotoGPを2021年限りで引退したバレンティーノ・ロッシ。レジェンドとして時代を築いて来た彼は、今のMotoGPが“愛好家”のためのモノに戻っていると語った。

 世界選手権で9度のタイトル獲得を誇り、世界的なスターライダーとしてシリーズを盛り上げて来たロッシ。彼はMotoGP引退以後、四輪レースの世界に飛び込んで忙しく過ごしており、MotoGPのパドックに姿を現したことは数えるほどしかない。

 しかし、それ以外にも彼がMotoGPに距離を置いている要因はあるかもしれない。先日母国イタリアの日刊紙『La Stampa』のインタビューに応えたロッシは、現在のMotoGPが自分の親しんできた時代とは変わってきているという考えを示した。

「僕が去ったあと、MotoGPは愛好家のためのカテゴリーに戻っていったと思う」

 ロッシはそう語っている。

「何らかの理由で、僕はこのカテゴリーをおばあちゃんや子どもたちにとって身近なモノにすることができていた。正確な理由はわからないけどね。僕のレース結果やコース外でのキャラクターの組み合わせだったかもしれない」

「1990年代、スポーツマンはレジェンドとしてみなされていた。(サッカーのディエゴ)マラドーナだったり、(F1のアイルトン)セナだったりだ。そして、それは変わってしまった。文化が変わったんだ。今のセナは誰だ? (ルイス)ハミルトンかもしれない。でも彼もまた若いわけでもない」

 ロッシは現代のスポーツ、そしてMotoGPを「政治的に正しい」と表現している。彼が競ってきたマックス・ビアッジやセテ・ジベルナウ、ケーシー・ストーナーやホルヘ・ロレンソ、マルク・マルケスといったライバルとの間にあった激しい関係は、彼が懐かしみつつも今や殆ど存在しないモノになってしまった。

「今では、彼ら皆が友人で互いにハグしている。それが良い事かどうか? 僕は皆が自分の思っていることを言っていたほうが、良かったと思っている」

「人間はそういうものだ。ピザ職人だろうと医者だろうと、レーシングライダーであろうとね。常に様々な物事を隠すようになると、人工的なモノになり始めてしまう」

 一方で、ロッシのVR46アカデミーの弟子たちはMotoGPで目覚ましい活躍を見せている。彼は弟子たちのことを今も注意深く見守っているものの、MotoGP自体には踏ん切りをつけていることを伺わせた。

「グランプリをテレビで見ていると、時々僕もそこにいたかったと思うこともある。でも、僕の番は終わったと思う。今は他の人達の番だよ」

 

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