SRT、MotoGP全3クラスから撤退。現ラズラン・ラザリ代表は新チームをミサノで発表へ
セパン・レーシングチームは2021年末をもってMotoGP世界選手権から撤退することを発表。またサンマリノGPで現SRT代表のラズラン・ラザリらが率いる新チームと体制を発表すると明かした。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
MotoGPクラスに2019年シーズンから参戦を開始したペトロナス・ヤマハ・セパン・レーシングチーム(SRT)。彼らは今夏になりタイトルスポンサーを務めていたペトロナスが離れることを明かしていたが、SRTとしてもMotoGPを含む3クラスでの活動を終了することを新たに明らかにした。
SRTが世界選手権の舞台に上がったのは2015年。Moto3クラスで足場を築いた彼らは2018年にはMoto2クラスへと体制を拡大し、更に翌2019年には最高峰のMotoGPクラスへと足を踏み入れた。
マレーシアの国営石油会社であるペトロナスの支援を受けたSRTは、最高峰クラス初年度にフランコ・モルビデリとファビオ・クアルタラロのコンビで挑戦。SRTは以前ヤマハのサテライトチームであったテック3よりもヤマハとの協力を深め、ファクトリー体制のサポートを得て複数の勝利を記録してきた。
しかし今年8月上旬、タイトルスポンサーを務めるペトロナスが今季限りで契約を終了するという衝撃的な知らせが入った。motorsport.comでは2021年以降は体制を縮小し、MotoGPクラスのみ継続させMoto3とMoto2は廃止するものとみられると報じてきた。
しかしMotoGP第12戦イギリスGPを前に、SRTは新たに声明を発表。SRTとしては2021年限りで3クラス全ての活動を終了させ、2022年シーズンは現代表のラズラン・ラザリとチームディレクターのヨハン・シュティゲフィルトの率いる新チームがMotoGPクラスへと参戦すると明かした。
ラザリ代表は声明で次のように述べている。
「我々はここ数年、並外れた旅路を経験してきた」
「2015年の小規模なスタートから、2018年には最高峰クラスへのエントリーを確保し、ゼロからMotoGPチームを組織するという大きな一歩を踏み出してきた」
「グリッドについて2019年、我々はルーキーイヤーにもかかわらず4戦でフロントロウに並んだ」
「そして7レース目には表彰台を獲得。2020年にはヤマハのサテライトチームとして20年ぶり以上の勝利を挙げ、ライダーズ&チームチャンピオンシップでも2位を獲得した」
「2021年、我々は世界最高のライダーであるバレンティーノ・ロッシとレースに挑んでいる。これは信じられないような物語だ」
「このチームはバレンシアで最後のレースを迎えるが、全てのクルー、ライダーそしてファンやパートナーのサポートに感謝している」
「そして特にペトロナスに感謝を。彼らがいなければ、こうしたことは不可能だっただろう」
「ペトロナスブランドと、マレーシアのエキスパートと共にグリッドの最前線までプッシュし、前例のないブランドの露出を成し遂げ、全ての期待を上回ることができた」
「セパン・インターナショナル・サーキットのビジョンとマレーシアの才能ある人々への長期に渡るサポートにも感謝したい」
「我々の夢は、マレーシア人ライダーがMotoGP世界選手権で表彰台を争うことだった。残念ながらこのチームの短期間の挑戦ではそれを達成することは出来なかったが、我々はその他のあらゆる面で大きな成功を得ることができた」
「我々の最終シーズンはまだ終わっていない。3つの全てのクラスで可能な限りベストな結果を得るために、努力を続けていく。皆さん、ありがとう」
なお来季の新チームに向けては、現在のチームマネージャーであるウィルコ・ズィーレンベルグの名前が紐付けられていない点が興味深い。
ペトロナスのような巨大スポンサー抜きでの船出となる新チームだが、来季はWithU(イタリアのエネルギー企業Europe Energyのブランド)による支援を取り付け、同社がタイトルスポンサーに就任すると考えられている。
またマーベリック・ビニャーレスがヤマハを早期離脱したことにより、モルビデリが2022年を待たずにヤマハ・ファクトリーチームへと移籍すると見られているが、チームはその代役としてMotoGPで多数の優勝経験を持つアンドレア・ドヴィツィオーゾを起用する方向で動いているようだ。
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