スズキ、既に2022年型エンジンのテストに着手。コロナ禍では「早めにやっていくことが必要」
MotoGPに参戦するスズキは、2021年シーズンに向けたプレシーズンテストで、既に2022年用のエンジンの試験を行なっていることをテストライダーのシルヴァン・ギュントーリが明かした。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
MotoGPは3月6〜7日にかけて、ロサイル・インターナショナル・サーキットでプレシーズンテストの前半を実施した。2021年シーズンに向け重要なテストだが、昨年のチャンピオンチームであるスズキは、既に2022年用のエンジン開発に取り組んでいるようだ。
今季は新型コロナウイルスの影響によるレギュレーション変更のため、コンセッション(優遇措置)非適用のメーカーはエンジン開発が凍結。2020年型のエンジンを継続使用することになっている。
スズキは2021年シーズン、チャンピオンチームとしてライバルから王座防衛を狙うが、2022年に向けた開発作業も既に実施しているようだ。
彼らはカタールテストでシャシーやスイングアームといった新マテリアルを試験していたが、テストライダーのギュントーリと津田拓也は2022年用エンジンのテストも行なっていた。
「僕らはすぐにたくさんの新パーツのテストを始めた」と、テスト初日を終えたギュントーリは語る。
「新仕様のエンジンもあった。これは2022年に向けたものだ。つまり、僕らはもうそれに取り組んでいるんだ」
「そして初日には、シャシーに関するいくつかの作業を行なっていた。新シャシーやスイングアーム、別のサスペンションなんかもだ」
「(現行の)エンジン哲学での改善点を探しているんだ。2020/2021年型はそんなに悪くないからね」
「ただ言うまでもないけど並列4気筒エンジンは、(V型4気筒に比べて)トップスピードで少し劣っているところがある。だからそれを補おうとしているんだ」
「現時点でもエンジンはとても優れている。だから大躍進、とはならないだろう」
2021年シーズンに向けた公式テスト日数は計5日間。開幕が近いにも関わらず、限られた日数の中で2022年に向けたエンジン開発を行なうことは、2021年シーズンのレースに向けて悪影響がでることはないのだろうか。
ギュントーリは新型コロナがパンデミックを起こし予測不可能な状況となっている中で、スズキが現行エンジンの開発凍結の機会も利用し、早めに2022年エンジン開発を始める必要があったと指摘している。
「今年はエンジンの仕様が凍結されている。そのことによって僕らは2022年に向けた作業を行なうことが可能になったんだ」
「新型コロナの厳しい状況を考えると、(2021年のエンジン)凍結はとても良いことだったと思う」
「(渡航規制により)僕は日本へテストしに行くことはできない。多少テストは行なわれているけど、同じじゃないんだ」
「去年の数少ないテストでは、できるだけ時間をフルに活用しようとした。だけど今年も何が起こるかは分からないから、今のうちから作業をすることが、とても重要なんだ。どれくらいのチャンスがあるのか分からないからね」
「サーキットでの時間を効率的にして、時間を最大限活用して懸命にやっていく必要がある」
「エンジンの仕様決定は簡単なものじゃない。だから力を入れなくちゃいけないんだ」
スズキにはエンジン仕様の選定で苦い記憶がある。2017年シーズンにアンドレア・イアンノーネとともに選んだ仕様が結果的に良いものではなかったことで、彼らはコンセッション適用の身分に戻ってしまったことがあるからだ。
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