スズキ、ライバルからの“完璧なバイク”との賞賛にもプレッシャーは無かった?
MotoGP2020シーズンで、ジョアン・ミルがタイトルを獲得したスズキ。彼らのGSX-RRは“完璧”との評価も聞かれていたが、チームとしてはそれをプレッシャーには感じていなかったという。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
11月にポルトガルで閉幕した2020年のMotoGP。新型コロナウイルスの影響を大きく受けた今季は、スズキのジョアン・ミルがタイトルを獲得した。
6度のMotoGP王者であるマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)が怪我で欠場する中、ミルは最も一貫性のある走りを披露。1勝を含む7度の表彰台を獲得し、スズキに20年ぶりの最高峰クラス王座を持ち帰った。
スズキはコンストラクターズランキングではドゥカティとヤマハに敗れ3位に終わったが、ミルとアレックス・リンスが合わせて11度の表彰台と、2020年シーズンのリザルトは非常に良いものだった。
ライバルもスズキのGSX-RRの仕上がりの良さには称賛を隠しておらず、ときにはグリッド上で“完璧なバイク”とまで呼ばれていた。
そうしたライバルからのコメントは、スズキにとって追加のプレッシャーにはならなかったのか? その点をチームマネージャーであるダビデ・ブリビオに尋ねると、彼は次のように答えた。
「これが“完璧なバイク”なのかは、私にはわからない」
ブリビオはそう語る。
「全ての部分で、非常にいいバランスを備えているとは思う。良好なエンジンやシャシー、タイヤとの相性……そしてライダーが学ぶことによるバイクとのコンビネーションだ」
「アレックスは既に良いライダーだったし、ジョアンはタイヤのマネジメント方法や、ベストな乗りこなし方を学んでいた」
「完璧なバイクなのか、そうでないのかは私にはわからない。ただ完璧というのはありえないことだ。たしかに良いバランスのパッケージではあるがね。そして、ライバルがそう言っていたとしても、追加のプレッシャーにはならないよ」
スズキはMotoGPに参戦するメーカーの中ではかなり規模が小さいと言われている。実際、走らせているマシンはアプリリアと同じく、ファクトリーの2台のみだ。
2019年にはスズキはホンダ・レーシング(HRC)を手本に、社内カンパニー制ではあるがスズキ・レーシングカンパニー(SRC)を設立していた。
しかしブリビオは、それでもスズキの予算や体制が他メーカーと相対的に比較すると小規模なことから、チームが“創造的”であることを迫られていると語った。
「スズキは大きな会社だし、健全な状況にあると思う」と、ブリビオは言う。
「だが我々がレースに向けて確保している予算は、おそらく他のメーカーの大きさと近いことはないだろう」
「無制限のリソースや、巨大なリソースが無いことで、より創造的であることに迫られているのは確かだ。例えば、スタッフの面では他よりもウチは少ないかもしれない。もちろん、人の数を増やすことを要望している」
「だがその一方で、(小規模なことは)混乱を少なくするかもしれない。十分な数と、多すぎないことの適切なバランスを見出すことは必要だ」
「仮に我々が優れているとしても……組織のいくつかの領域では改善できるものもある」
「しかし今現在は、COVIDを始めとする様々なものがあるため、できる限り安定し続けることが必要だ」
Be part of Motorsport community
Join the conversationShare Or Save This Story
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
Top Comments