躍進のスズキ、“スランプな”2017年がターニングポイントに
スズキのテストライダー、シルバン・ギュントーリは現在のGSX-RRは2017年の苦戦への対策が活きていると語った。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
2019年シーズンはスズキの戦闘力が増している。第3戦アメリカズGPではアレックス・リンスがキャリア初優勝を飾った。その後も表彰台に登っており、ライバルからもスズキのマシンのポテンシャルは高いと言われている。
しかし、2年前の2017年はスズキのマシンは戦闘力に乏しかった。それはエンジンの仕様選定を間違えたことが原因だと考えられており、当時チームに所属していたアンドレア・イアンノーネはそのミスにおいて大きな役割を負ってしまったと語っている。
コンセッション(優遇措置)の再適用を受けた翌2018年、スズキは表彰台に戻り、そこから更に歩みを進めた。昨年から現在を見ると、リンスが過去14戦中13戦でトップ6フィニッシュを果たしている。
スズキでテストライダーを務めるシルバン・ギュントーリは、2017年シーズンが現在のスズキの力強い形を作る上での“ターニングポイント”になったと指摘している。
「ステップ・バイ・ステップだった」と、ギュントーリはスズキの進歩を語る。
「つまり、最初の大きなステップは2017年で、それは僕らが何が正しくないのかを突き止めた時だ。その後シーズン中、僕らは様々な対策に取り組んだ。なぜなら我々はエンジンを変えることはできなかったからだ」
「そして僕らは対策に取り組んで、1年の終わり、フィリップアイランドやバレンシアの頃には競争力を持つようになった」
「更にその後、2018年のマシンはすぐにより良くなった。そして2018年後半に問題への対策をすると、とても役に立つようになり、それからはより良くなったマシンと共に取り組み始めるようになった」
「だから、時々ある苦戦や全ての取り組みが、自分たちを強くしてくれる。僕の言っている経験のすべてがその効果を生み出しているんだ。昨年も、そして今年もね」
ギュントーリは2017年の低迷が“チーム全員を奮い立たせた”と語っている。また、スズキを“本当に強い組織に作り上げた”とも話している。
「難しい瞬間には、単に瓦解するかもしくは強固に結束するかなんだ。そしてあの時、チームは素晴らしい姿勢を示し、それが今の効果を生んでいる」
「今では、ほとんどの週末でみんなが笑顔で、そして競争力を発揮できている。それを目の当たりにするのは良いことだ」
スズキのマシンは最高速や1周でのパフォーマンスに欠けると言われてきたが、現在のGSX-RRはそのタイヤライフを伸ばす能力と、コーナリング性能で多くのライバルに好印象を与えている。
「時々、多くの人が僕の元に来て『おお、凄い! ギュントーリ、君は素晴らしい仕事をしたよ!』と話してくれるから、ちょっと照れたりもするんだ」
「良いことだと思う。そしてもちろん、一緒に取り組んだトム(オケーネ/クルーチーフ)やテストチームは、チームに重要な存在だ。レーシングチームのように取り組めるよ」
「だから、僕らは本当に効率的な仕事ができるんだ。それからチームの素晴らしい部分のうちのひとつであることは素晴らしい。ただ、賞賛の多くはスズキと、特にスロットルの空け方を知っているリンスと(ジョアン・)ミルの若いふたりのライダーに向けられるね」
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