チーム監督不在のスズキ、当分は現状維持で参戦か? 「新体制は慎重に決める」
スズキは昨年末、チームMotoGP復帰から携わったダビデ・ブリビオが突然の退任をした。これを受け、スズキは新たな体制を敷き今季のMotoGPに挑んでいるが、プロジェクトリーダーの佐原伸一は、現体制を今シーズン中に変えることはないと語った。

2020年のMotoGP王者に輝いたのは、スズキのジョアン・ミルである。これはスズキとしては、2000年のケニー・ロバーツJr.以来20年ぶりのタイトルだったのと同時に、スズキのレース参戦60周年という節目の年での悲願達成でもあった。
しかしその喜びも束の間、スズキをMotoGP復帰から支え続けてきたダビデ・ブリビオ(元チームマネージャー)がチーム離脱を表明。アルピーヌF1へ移籍をしていった。
予期していなかった出来事だけにそのショックはチームにとって大きく、スズキはマネージャーの後任を外部から探すことを諦め、内部で体制を整えることで彼の業務を分散させることを選択した。
2021年シーズン前半の9戦が終了した時点で、スズキはチームランキング5位。現世界王者のミルはポイントランキングで首位のファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)から51ポイント差の4番手に位置付けている。
この結果から、ブリビオに代わってチームを率いる人物を探す必要性があるのではないかと、外部からは強い意見が出ているが、佐原伸一(チームプロジェクトリーダー)はmotorsport.comの取材に対して以下のように語った。
「ダビデにしろ、他の誰かにしろ、チームマネージャーの役割は我々のような小さいチームには大きな影響を与えます」
「ダビデが人として、またチームマネージャーとして、現在ある我々のチームを築き上げたことは否定できません。私達は常に同じ船に乗っていました。彼の突然の離脱から、残された我々はこの状況に適応し、仕事のやり方を見直さなければなりませんでした」
ブリビオ離脱後、佐原は彼の仕事を引き継ぐ7名のチームメンバーで構成されるパネルを作った。
「パネルを作った結果、同じ目標、同じビジョンを共有し、非常によく働く強力なグループが出来上がりました」
そう語る佐原は、この新体制の一環として、全てのグランプリに帯同する形となった。これはここ数年なかったことだ。
「個人的には、チームマネージャーとプロジェクトリーダーを兼務することで、仕事量は増えていますが、サーキットでの作業が増えることで、チームメンバーとのコミュニケーションが深まり、これまで見えなかった多くのものを自分の目で見ることができる貴重な機会となっています」
佐原は、短期的には新しいチームマネージャーを探すことはしないとしている。
「今シーズン中に新しい監督を迎えないことは明らかです。それには多くの考えと計画が必要だからです」と否定している。
「数ヵ月前にダビデが退任を発表したとき、我々は直前になって急いで決定を下してしまいました。しかし今回は、もっと冷静に物事を進めたいと思っています」
新たなチームマネージャー候補として、何人かの名前が挙がっているが、スズキは外部から新たにマネージャーを探すか、現メンバーの中から昇格させるという哲学を貫くか、まだ決めかねているという。
「私には、チームの力学をより深く理解するための時間が必要です。マシンの技術的な部分を変更した場合、それが良いか悪いかはすぐにわかります。しかしマネジメントの変更となると話は別で、その効果を感じたり状況を評価したりするためには、もっと時間がかかります」
「来年に向けて何かを変える必要があるかどうか、どう対処すべきかを判断するために、夏休みを利用してシーズン前半の評価をしたいと思います」
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