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スズキMotoGP「“タイトル防衛”に頭が一杯になることはない」2020王者、後半戦では“全てのピース”が揃うか?

スズキMotoGPのプロジェクトリーダーである佐原伸一は、“世界タイトルの防衛”といった言葉に固執したことはなく、そうしたプレッシャーは感じていないと語った。

Joan Mir, Team Suzuki MotoGP

写真:: Gold and Goose / Motorsport Images

 2020年のMotoGPで、ジョアン・ミルと共に20年ぶりのタイトルを獲得したスズキ。しかし、ディフェンディングチャンピオンとして挑んでいる2021年シーズンでは、ライバルに遅れをとっているとミルは主張している。

 昨年王者のミルは前半9レースを終えた段階で、首位のファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)から55ポイント差の4番手。表彰台は3度獲得しているが、まだ優勝を挙げることはできていない。

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 ミルは2021年型GSX-RRの開発でライバルに遅れをとっていることで、タイトル防衛の厳しさが増していると不安を募らせている。ただ佐原伸一プロジェクトリーダーは、ライバルが大きく改善してきていることを認める一方で、スズキとしても開発は常に進めてきていると主張する。

「一部のライバルが大きく前進してきていることは事実です。ですが、“開発のミス”から立ち直ってきたライバルも居ることや、その改善がより大きなものに見える、ということは考えるべきでしょう」と、佐原プロジェクトリーダーは話す。

「MotoGPのような洗礼された専用マシンの開発は終わりのないプロセスであり、直線的に推移していくものではなく、曲線を描きながら、浮き沈みのある道を辿っていきます。時にはイノベーションをハードに推進することもあれば、既にあるモノの微調整と効率化を優先することもあります」

「もちろん、後者のフェーズでは(成長が)スローダウンしているように感じられますが、だからといって開発が止まっていることは意味しません。常に進歩しています。ただそのステップは昨年果たしたほど大きなモノではありませんでした」

「我々のGSX-RRは昨年から多くの領域で改善してきています。ファクトリー、現場を問わずエンジニアは改善を止めることはありませんし、常により競争力を高めることを目指しています」

 またスズキの佐原プロジェクトリーダーは、“世界タイトルの防衛”といった言葉で頭が一杯になってはいないと語る。

「シーズンが始まった際、我々は結果を得る方法が、コンスタントにトップグループに入ることだと知った上で、それを目指してスタートさせました」

「我々は“世界タイトルを守る”だとか、“勝利するだろう”といったようなことで頭を一杯にしたことはありませんし、そうしたプレッシャーもありません」

「勝利というのはテクニカルミーティングやプラクティスセッション、そしてセットアップやレース戦略といった、ジグソーパズルの全てのピースに対して行なう、健全で一貫性のあるポジティブな作業の集大成なんです」

「ですから、我々の目標は変わっていませんし、同じビジョンを抱いています。我々は改善を試み、自分たちにできるベストで戦おうとしています。そうすれば、結果は自動的についてくるでしょう」

 

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