バスティアニーニ初優勝、ドゥカティを“知り尽くした“クルーチーフが鍵だった？　ドヴィツィオーゾ考察

　MotoGP2022年シーズンの開幕戦カタールGPで、キャリア初優勝を果たしたエネア・バスティアニーニ（グレシーニ）。速さを見せる最高峰クラス2年目のライダーの背後には、ドゥカティを知り尽くしたクルーチーフの存在があると、アンドレア・ドヴィツィオーゾ（RNFヤマハ）は考えている。

　2020年にMoto2クラスで王者に輝いたバスティアニーニは、昨シーズンからMotoGPクラスにデビュー。アビンティアで2年落ちのデスモセディチGP19を使用するという環境だったが、後半戦で速さを増し、2度の表彰台を獲得。光る速さを印象づけた。

　今シーズンはフランチェスコ・バニャイヤ（ドゥカティ）がランキング2位を獲得した2021年型のマシンを獲得。テストでも速さを見せており、カタールGPではそれを実証する形となった。

　バスティアニーニはMotoGPクラス昇格から今に至るまで、アルベルト・ジブリーラがクルーチーフを務めている。そしてこの人物こそが、バスティアニーニのMotoGP初優勝に重要な要素だったと、ドヴィツィオーゾは考えている。

　ジブリーラは過去にドヴィツィオーゾのクルーチーフを務めており、2017～2019年まで3年連続でランキング2位という実績を残してきた、ドゥカティの古参スタッフだ。

「彼（ジブリーラ）は凄く大きく貢献したと思う」

　バスティアニーニの初優勝におけるジブリーラの重要性について訊かれたドヴィツィオーゾはそう口を開いた。

「昨年は彼にとってMotoGP1年目で、特にマシンを開発できないときには、適切な人物がそばにいることが違いを生むことになる」

「詳細は知らないけど、ジブリーラについてはよく知っている。チーム（グレシーニ）が素晴らしい仕事をしたのは確かだと思うよ。ひとりでは勝てないからね」

「でもバスティアニーニはしっかりした状況に身を寄せていると思う。ドゥカティのことを知り尽くしていて、どうすれば機能するのかを理解している人物が隣にいるんだからね」

「そのマシンで速く走るのに必要なモノに集中し、時間を無駄遣いさせないように、何をする必要があるのかを知っている人物が隣に控えていることが、違いを生むんだ」

「これは彼が昨シーズン終盤に凄く速かったことの、かなりの割合を占めていると思う」

「良いテストも過ごせたようだから、開幕戦を勝つこともできたんだと思う」

　一方、ドヴィツィオーゾはドゥカティからヤマハへの乗り換えで苦戦が続いている。開幕戦では14位に入りポイントは持ち帰ったものの、レースはフロントタイヤの内圧の問題によって妥協を強いられてしまった。