タイヤの“皮むき”が灼熱レースの鍵に……ヤマハ勢はミシュランの助言に従う
MotoGPアンダルシアGPではヤマハ勢が表彰台を独占する結果だった。そしてそこにはタイヤサプライヤーのミシュランによるアドバイスを取り入れたことが上手く働いていたようだ。

MotoGP第3戦アンダルシアGPではペトロナス・ヤマハSRTのファビオ・クアルタラロが優勝。2位と3位にはヤマハのマーベリック・ビニャーレスとバレンティーノ・ロッシが続き、表彰台をヤマハ勢が独占した。この好結果には、タイヤサプライヤーのミシュランからのアドバイスを取り入れたことが影響しているようだ。
motorsport.comの調べによると、ミシュランはアンダルシアGPにおいて全チームにタイヤに関するアドバイスをメールで送信しており、それは日曜朝のウォームアップでタイヤの皮むきを行なうことを推奨する内容だったという。
通常、タイヤの皮むきは3周で行なわれる。ゆっくりとしたアウトラップ、ファストラップ、そしてインラップだ。
ミシュランがこうしたアドバイスを送信した背景には、ヘレス・サーキットでの連戦が類を見ない灼熱のコンディションとなっていた点がある。
この皮むき作業のアドバイスに従った場合、新品のタイヤから表面の層を削り、その後ウォーマーに戻される前、冷却されるタイミングにコンパウンドが化学反応を起こすという。
その結果としてタイヤの耐熱性、耐久性が向上する。それがミシュランのアドバイスの効果だ。
「時に、我々はチームに対して助けになると考えた推奨事項を提示する。しかしその選択に従うかは常にチームの裁量だ」
ミシュランの広報担当者はそう語った。
「(皮むきの)3周を行ない、そしてヒーターでタイヤを覆わずに冷却させる。一度冷やしたら、レースの瞬間まで再びカバーしておく」
「この手順によってコンパウンドはより高い耐熱性を持ち、温度を10度下げることができる」
だがこうしたミシュランのアドバイスに従ったのは、ヤマハ勢4名と、スズキのアレックス・リンスのみだった。彼らはウォームアップセッションでレース用のリヤソフトタイヤの皮むきを行なっていた。
そしてレース中、路面温度は60度を超える領域にまで達したが、クアルタラロは序盤からハイペースで飛ばしてリードを築き、その後もコンスタントな速さでレースを走りきって勝利を手にした。
「普段なら、僕らはスターティンググリッドから新タイヤでスタートするんだ」と、クアルタラロはレース後に語った。
「だけど今回は、朝のウォームアップで3周したタイヤでレースに出ることを決めたんだ」
「それは効果を発揮した。チームの決断に感謝したい」
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