ロレンソ「マルケスは2020年の怪我の影響が残っている」今季復活も未勝利……元チームメイトを評価
3度のMotoGP王者であるホルヘ・ロレンソは、今シーズン調子を取り戻しつつあるマルク・マルケスについて、2020年の怪我の影響が今も残っているのではないかと考えている。
Marc Marquez, Gresini Racing Team
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
MotoGPレジェンドのホルヘ・ロレンソは、マルク・マルケス(グレシーニ)について、今も2020年に負った怪我の影響が残っているのではないかと考えている。
マルケスは2020年シーズンの開幕戦で大クラッシュを喫し、右腕を骨折。この怪我が原因でマルケスは長期欠場を余儀なくされた。結局骨折を完治させるためには2022年までに合計で4回も手術が必要となってしまい、フィジカル面での復活は2023年まで待たなくてはならなかった。
そして2024年にマルケスはドゥカティ陣営のグレシーニへと移籍すると、開幕戦から高いパフォーマンスを発揮。表彰台争いもコンスタントに繰り広げるようになった。
怪我の影響はすでに無いものと見られているが、ロレンソは2020年の怪我の影響が今もマルケスには残っていて、100%で走れていないのではないかと考えているようだ。
「いくつかブレーキング(ゾーン)では、あの怪我が彼の重荷となっていることが分かる」
ロレンソはDAZNに対してそう語った。
「マルク・マルケスのようなチャンピオンが、最新型ではないにしろベストなバイクを手にしているにもかかわらず、まだ勝てていないんだ」
Jorge Lorenzo and Marc Marquez in 2022
2024年ここまでの11戦で、マルケスは4回表彰台に登壇。192ポイントを獲得し、ランキング4番手に付けている。
ただ最新型マシンを使うフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)やホルヘ・マルティン(プラマック)らが優位に立っていて、まだ勝利には届いていない。
ロレンソは仮にマルケスが最新型マシンを今年使っていたとしても、現段階でタイトル争いをリードしていたかどうかは分からないと語る。
「2024年型のバイクでなら、彼は勝っていたかもしれない。チャンピオンシップをリードしていた可能性はあるかって? それは分からないな」
「怪我をする前の2019年には、彼は技術的な水準でライバルたちのはるか先を行っていた。彼は大きく上回っていたんだ。タイトルの数だけではなく、技術、そして肉体のレベルでもね」
「(ドゥカティの移籍後)みんなが3つの法則を思いついていた。ベストライダーにベストバイクが組み合わされば、その年を一掃するだろう、とね」
「僕も彼がチャンピオンシップで勝つだろうと話していた。シーズンを一掃するだろうという意味じゃなかったけど、彼がチャンピオンシップを勝つだろうと言ったんだ」
「でも今のところ、彼はまだ勝利できていない。優勝争いはしているし表彰台を獲得しているけど、勝てていない。そして、彼はマルク・マルケスなんだ」
マルケスは2023年型マシンでのいきなりの活躍によって、2025年にはドゥカティのファクトリーシートを掴むことになった。これによりバニャイヤと対等な関係で走ることができるようになる。
シリーズ2連覇中のバニャイヤは、その権勢や倒されるべき存在としての立場も確固たるモノとなりつつあるが、ロレンソはマルケスがバニャイヤを倒し、最高峰クラスでバレンティーノ・ロッシに並ぶ7度目のタイトル獲得が可能だと考えている。
「2020年のヘレス戦での怪我が、彼の肉体の重荷となっている。でも、僕らはミック・ドゥーハンのような偉大なチャンピオンを目にしてきた。彼は実質的に、1.5本の足で4度の世界チャンピオンとなってきたんだ」
「僕は、まだマルク・マルケスの最後のタイトルを目にしていないと思っている。もちろん、強力な若いライダーが彼の前にいるから、再びタイトルを獲得するのは、簡単ではないだろう」
「ホルヘ・マルティンはアプリリアに移籍するけれど、バニャイヤがいる。彼は若く、そして非常に速く、ほぼ完璧なやつだ」
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