ヤマハMotoGPの頑張りが迷走? クアルタラロ「テスト多すぎてテストライダーみたいな感じ」
ファビオ・クアルタラロはヤマハの懸命な開発姿勢はともかく、MotoGPイギリスGPで見せたような異なる性質のバイクを次々と乗り換えるような進め方は良くないと懸念を示した。
Fabio Quartararo, Yamaha Factory Racing
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
ファビオ・クアルタラロはヤマハがMotoGPのレースウィークにあまりにも多くのモノをテストしようとしていることに、不満を表明した。
苦戦するヤマハは今シーズン、優遇措置の対象となっており、復活を目指している最中にある。そのため開発を推し進めて、多くの新パーツなどをテストをしている。
現在ヤマハは優遇措置を活かしてプライベートテストで新パーツなどを試し、それをグランプリへと持ち込んで試すというアプローチを採っている。
しかしながら、ヤマハの開発方針にクアルタラロは不満もあるようだ。それはレースウィークに様々な仕様のバイクをテストしなくてはならないため、適切に評価を行なうための時間が十分になく、逆効果をもたらすアプローチになっていると考えているからだ。
「スプリントレースの直前まで、僕らはとても多くのことを試していた。あるバイクから別のバイクへ乗り換えて、何も参考にするものがないまま予選に向かっていたんだ」
クアルタラロはそう語った。
「片方のバイクをある方法で乗らなくちゃいけないところを、もうひとつのバイクではまた別の形で乗らなくちゃいけないんだ。完全に道に迷っていた」
「普段よりもずっと苦戦してしまっていて、本当に迷っていた。だいたいのベースを設定したいと思っていたけど、スプリントでは良くなった。まだすごく良いわけではないけれど、少なくともジャック(ミラー/KTM)からあまり離れずにフィニッシュできたんだ」
Fabio Quartararo, Yamaha Factory Racing
Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images
クアルタラロの指摘する問題は、テストすべきパーツが多すぎるということではなく、バイクが根本的に異なっていることで、パフォーマンスに集中して取り組むべき時間帯の作業が複雑になってしまっている点だ。
彼はその1例として、イギリスGPでは『重いが減速が優れているバイク』か、『軽いが減速で劣るバイク』のふたつを次々と乗り換えなくてはならなかったと説明した。
「新しいアイテムが多すぎるということじゃなくて、異なるバイクでの走行が多すぎるんだ」とクアルタラロは言う。
「タイムアタックをするにしても、どのバイクでするんだ? それだけ複雑になっている」
「2年前なら僕らは(1年間)同じバイクだった。昨年もシーズン終盤でさえ、バイクが同じではないとしても、ベースは維持していた。そしてバイクを限界まで追い込んでいたんだ」
「今はそういう風にぜんぜんできないんだ。そのバイクの限界がどこにあるのか、全く把握できていないせいでね」
クアルタラロはヤマハの開発加速自体は批判しておらず、新パーツも通常はパフォーマンスを改善する役に立っていると話す。
その一方で、イギリスGPではまるでテストライダーのような気分だったとクアルタラロは語った。
「これは多すぎたけどね。ただ物事がより良くなることを期待して、悪くなることは期待していなかったりするだろう」
「あるいは、新しいアイテムが来て、それによって遥かに良くなることもあるだろう。そして時には、最も期待をかけていたものが、あまりポジティブな結果をもたらさないこともある」
「今回は、僕は以前のレースよりも、テストライダーのようにより感じられていたんだ」
「今のところ僕はできるだけ速くなろうという点に、もっと集中したいと思っている。2日連続で同じバイクを使わなかったのは、ずいぶん久しぶりだったよ」
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