「もしかすると一度転ぶ必要があるのかも」ラズガットリオグル、MotoGPマシンへの適応に大苦戦。クアルタラロから励ましもらう
トプラク・ラズガットリオグルはWSBKからMotoGPへの転向で大苦戦が続いている。彼がこの現状には辛い思いをしている様子だ。
WSBKで3度王者に輝いた経験を持つトプラク・ラズガットリオグルは今季、プラマック・ヤマハに加入してMotoGPデビューを果たすことになった。しかしプレシーズンテストの段階では大苦戦していて、精神的にも大打撃を受けている。
MotoGPは新人のみが参加可能なシェイクダウン、その後全ライダーが参加してのセパンテストとブリーラムテストが行なわれ、今週末にはいよいよタイで開幕を迎える。しかしラズガットリオグルは、MotoGPマシンへの適応に苦しんでいる。
開幕前最後の走行機会となったブリーラムテスト2日目にラズガットリオグルが記録したタイムはトップから2秒差で、22名中21番手(22番手はテストライダー)に終わった。
ラズガットリオグルにとっては、市販ベースのWSBKマシンからMotoGPで走らせるプロトタイプマシンという根本から異なるマシンに乗り換えることは課題になっている。WSBKで使われるピレリタイヤとMotoGPのミシュランタイヤも、大きく違うと言われる。さらにヤマハのV4エンジンを載せた新型マシンの信頼性不足も、ラズガットリオグルの足を引っ張る要素となっている。
そうした状況の中で苦しむ29歳のオールドルーキーに対し、ヤマハ陣営のエースたるファビオ・クアルタラロも手を差し伸べている。クアルタラロはラズガットリオグルのガレージに赴いてアドバイスを送っているのだ。
「(クアルタラロとは)今年のことについて話していた」と、ラズガットリオグルは言う。
「自分はまだ学んでいる最中で、彼は『焦るな。ヤマハは改善しているし、君もタイヤに順応しようとしているところだ』と言ってくれた」
「新しいバイクではそれが本当に難しいとも言っていた。僕は適応しようとしているけど、彼はただ『落ち着け、急ぐ必要はない。自分を壊す必要もない』と言ってくれた」
「コーナーの全てで考え、そしてベストを尽くそうとしているが、ラップタイムがついてこない。そのたびに悲しい気持ちになる。だけどMotoGPに来たなら、タイヤもバイクもまったく別物で、適応が必要だということは理解している」
Toprak Razgatlioglu, Pramac Racing
Photo by: Steve Wobser / Getty Images
「特にフロントタイヤに関しては、まだ本当に適応できていない。ハードブレーキングはできるかもしれないが、マシンを傾けた時に、他のライダーのように(タイヤを)信頼できていないんだ」
「他のライダーは完全にマシンを寝かせている。自分もバイクが曲がり始めたら傾けていくけど、一寸先は転倒を覚悟している状態なんだ。まだ転倒はしてないしバイクも無事だが、限界を理解するためには、もしかすると一度転ぶ必要があるのかもしれない」
ラズガットリオグルは、ブリーラムテスト2日目にはスピード不足を理由にレースシミュレーションを途中で中断したことも明かしたが、一方でロングランが自身のリズム構築と2026年仕様パッケージの理解に役立ったとも語った。
「レースシミュレーションを試していたけど、セットアップが気に入らなかったんだ」
ラズガットリオグルはそう語る。
「バイクは2台あって、それぞれ異なるセットアップだったが、どちらも好みではなかった」
「10周目でピットに戻った。ラップタイムが遅かったし、『すべてがうまくいっていないから戻った方がいい』と感じたからだ」
「昼食後はユーズドタイヤで走り始め、バイクを理解しようとした。その中で良いラップタイムも出せた。タイヤは14周ほど使っていたが、通常は6〜7周しか使わないから、それを考えると非常に良いタイムだった」
「自分でも驚いている。周回を重ねると、バイクの乗り方に適応し始め、タイヤマネジメントもできるようになってきたからだ」
なおラズガットリオグルはテスト最終日にはチームメイトのジャック・ミラーの後ろで、その走りを観察していたという。そして、チームメイトの走りには学ぶところが多かったようだ。
「タイムアタックでジャックの後ろについたとき、特にターン1と第1セクター全体で、大きく差をつけられて驚いた」
「僕はフロントにあまり信頼感がないせいで、常に少し慎重に走っている。ブレーキでは問題ないが、寝かせたときの限界が分からないんだ」
「それに対してジャックはいきなり大きくマシンを寝かせている。正直、最初は『転ぶんじゃないか』と思ったほどだった。彼のマシンの寝かし込みを見ると、本当に驚かされる」
「自分も全力でプッシュして1分30秒7を出したけど、それでも驚きがある。あのコーナーでは、普段はもっと慎重に走っているし、他のライダーもいくつかのコーナーで同じような走り方をしている。とはいえ、彼がチームメイトであることは良い点だ。データを見るのが簡単だからだ」
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