ビニャーレス、“ヤマハ離脱”を仄めかす報道に不快感。メディア対応の難しさを実感
マーベリック・ビニャーレスはヤマハとの関係についての自身の発言が意図とは違った取り上げられ方をしていると、メディアによる報道を批判した。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
マーベリック・ビニャーレスは2017年にホルヘ・ロレンソの後釜として、スズキからヤマハへと移籍。今シーズンで5年目となっており、少なくとも2022年まではヤマハに所属することとなっている。
そんなビニャーレスだが、6月4日にDAZNが公開したインタビューによって、ヤマハとの関係が悪化しているのではないかという憶測が広がることになった。当時開催だったカタルニアGPを前に、成績が上向かないビニャーレスに対し、ヤマハからの要請でクルーチーフを変更したという点も、そうした憶測に拍車をかけていた。
DAZNのインタビューの中で、彼は自身の将来のアプローチについて「冷静に、冷静にね。同じ様なミスはしたくない」と答えていた。
「良い決定を下して、自分に合ったベストな道を選びたいと思っている。というのも、ここ数年僕は多くのことに適応しなければならなかった。特にライディングスタイルではね。世界チャンピオンを目指して戦うために、自分にあった選択肢を選ぼうとしている」
「今年、その(タイトル獲得の)チャンスが無いとは言わない。だけどポテンシャルを発揮できなくて、イライラしているんだ」
「結局、人生では最善の決定を下せない時もある。数年前、僕はベストな決定を下せなかったと思う。だからまた間違いは犯したくない」
こうした発言は、ビニャーレスが直近で結んだ2021−2022年の契約に関して言及されたものだと広く受け取られた。2020年の契約更新当時はドゥカティがビニャーレスに興味を示していたものの、ビニャーレスはヤマハを選択していた事情も背景にある。
タイトル獲得を目指してスズキからヤマハに移ったビニャーレスだが、実際は5年を過ごしても手が届かない……こうした状況での前述の発言だったため、“ヤマハ入り”を悔やむ言外の意図を推測されることに繋がったと言える。
しかしビニャーレスは後にSNSでそうした考え方を否定。彼の発言はMotoGPクラスでの出来事ではなく、キャリア初期の出来事についての言及だったと説明した。
そのうちのひとつが、Moto3クラス時代の2012年シーズン末にパフォーマンス面や契約関連をめぐり、3レースを残してチームを離脱を決めたことだったという。
2013年にビニャーレスはTeam Calvoへ移籍。タイトルを獲得し、翌年にはMoto2クラスへ昇格し、2015年にはスズキからMotoGPへとデビューを果たした。
ビニャーレスはDAZNで語った“ミス”について、Moto2を1年間で卒業しMotoGPへとすぐに昇格したこともミスのひとつだと認めた。
5日の予選後に、当該のインタビューについて尋ねられたビニャーレスだったが、彼はコメントが最悪の形で受け取られていると感じており、インタビューを受けることは“とても難しい”と語った。
「なによりもまず、僕は概念的なことについて話していたんだと、それを明確にしておきたい。ただインタビューというのは結構難しくて、人々は常に悪い方向で捉えて、僕たちとチームを衝突させようとしている」
「僕は失敗のあった2012年のことや、(Moto2から1年で)MotoGPへ移ったことについてハッキリと述べたかったんだ。僕はもう少し待つべきだったのかもしれないとね。でももちろんスズキと契約を結んだことは良い決断だったと思っている」
なおビニャーレスはヤマハのプロジェクトを信頼していると語り、2022年以降に関しても契約更新の可能性を排除することはないとしている。
Be part of Motorsport community
Join the conversationShare Or Save This Story
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
Top Comments