マーベリック・ビニャーレス、2021年限りでヤマハ離脱が決定
ヤマハMotoGPは、同チームのライダーであるマーベリック・ビニャーレスが、2021年限りでチームを離れることを発表。2022年の契約満了を待たずに袂を分かつことになった。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
MotoGPに参戦するヤマハは6月28日、ライダーのマーベリック・ビニャーレスが2021年シーズンをもってチームを離脱することを発表した。
ビニャーレスは2017年にホルヘ・ロレンソの後任として、スズキからヤマハへ移籍。移籍直後の5レースで3勝をあげるなど、次代のチャンピオン候補として注目を集めた。
しかしビニャーレスはその後の戦いにおいて一貫性を欠き、なかなかタイトルに手が届かないシーズンが続いてきた。それでも2020初頭には新たな2年契約を締結。2022年まではヤマハに留まる予定となっていた。
2021年シーズン、ビニャーレスは開幕戦で勝利を挙げたものの、その後は再び苦しいレースが続いた。ヤマハはテコ入れのために第7戦カタルニアGPでクルーチーフをビニャーレスと関係の深いエステバン・ガルシアから、シルヴァーノ・ガルブゼラへ変更する決定を下したが、この行為によって両者の関係は緊張感を増してしまったようだった。
第8戦ドイツGPでは、予選21番手、決勝は最下位の19位とキャリアでも類を見ないほど低調な結果に終わったビニャーレスは、ヤマハに対する批判を公言しており、その関係が確実に厳しいものとなっていることを伺わせた。
先日行なわれた第9戦オランダGPでは、ビニャーレスは“ヤマハを離脱してアプリリアへ加入する”という噂に関して答えると、アプリリアとのつながりを否定。しかしヤマハ離脱は選択肢のひとつだと語っていた。
そして28日、ヤマハはビニャーレスによる契約解除の申し立てを受け、契約満期より1年早い2021年限りでのチーム離脱に合意したと発表した。
ヤマハのマネージングディレクターであるリン・ジャービスは、今回の決定について悲しみを表明しているが、2021年シーズンの最後までビニャーレスをサポートし続けるとコメントした。
「今年限りでマーベリックにお別れを言わなければならないのは、悲しいことだ」と、ジャービス。
「共に5年目半ばを過ごし、多くの結果を達成してきたが、多くの苦しい結果にも対処してこなければならなかった」
「このパートナーシップにおいても最も厳しい週となったドイツGPのあと、我々はアッセンで重要な話し合いを持ち、そして将来的に別々の道を歩むことが互いのためになるという結論に達した」
「ヤマハはこれまでしてきたようにマーベリックをサポートすべく全力で取り組み、最善の結果で終われるよう全力を尽くしていくつもりだ」
一方で、チームを離れることになったビニャーレスは次のようにコメントしている。
「このパートナーシップは過去5年以上に渡って非常に重要なものだった。道を分かつのは難しい決定だった。これまでのシーズンで僕らは厳しい時期も、素晴らしい結果もその両方を経験してきた」
「しかし根底に存在するものは、互いへの敬意と感謝の気持ちだ。僕はシーズンの残りもベストな結果を残すために全力で取り組んでいく」
アプリリア側は26日の時点ではビニャーレスとの話し合いについて否定しているが、ビニャーレスのヤマハ離脱後の身の振り方は、やはりアプリリアが濃厚と考えられる。
ファクトリーライダーがひとり欠けることになるヤマハ。その後任にはペトロナス・ヤマハSRTのフランコ・モルビデリの起用が考えられる。その場合、ペトロナスSRTは引退が確実視されるバレンティーノ・ロッシとモルビデリ、ふたりの後任ライダーを探す必要がある。
なおモルビデリはペトロナスSRTと2年契約を結んでいる最中だが、ファクトリーチームからのオファーに対してはエスケープ条項が契約に備わっていると考えられている。
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