MotoGP オーストリアGP

イギリスGP大苦戦で「アプリリアは目が覚めた」ビニャーレス、オーストリアから改善を期待

アプリリアのマーベリック・ビニャーレスは、MotoGP第10戦イギリスGPでの壊滅的な結果によって、陣営は目覚めたと語っている。

Maverick Vinales, Aprilia Racing Team

Maverick Vinales, Aprilia Racing Team

写真:: Gold and Goose / Motorsport Images

 アプリリアのマーベリック・ビニャーレスは陣営が大苦戦したMotoGPイギリスGPの結果を受けて、”目が覚まされた”と主張した。

 イギリスGPの舞台であるシルバーストン・サーキットは、これまでアプリリアが強さを見せてきたコースだ。昨年はドゥカティを退けてアレイシ・エスパルガロが勝利しており、今シーズンも期待されるレースになっていた。

 実際、アプリリアはエスパルガロが予選でポールポジションを獲得。下馬評通りの強さを見せると思われていた。しかしレースになると一転してアプリリアは苦戦してしまった。

 エスパルガロはポールポジションから後退して6位、ビニャーレスも予選8番手から13位フィニッシュという結果に終わってしまった。

 アプリリアはこの結果を受け、第11戦オーストリアGPまでの2週間の間に、イギリスGPで苦戦した理由の分析と理解に時間を費やすことになった。

 ビニャーレスはソフトタイヤを使用したときの1発の速さやスプリントは依然として強力なものがあるとしつつも、アプリリアのロングディスタンスでのペースは深刻な問題となっていると指摘している。

「シルバーストンでの結果は、当然だけど警鐘を鳴らすことになったね。あのコースは普通なら僕らが表彰台を獲得できる場所だったんだから」

 ビニャーレスはそう語る。

「だからああして後方に沈んでしまって、多くの問題を抱えていたとなると、レースウィークに適切な方法でアプローチしていたのか、タイヤの扱いは正しいのかなど、ちょっと考慮すべき事態になっている」

「バイクは昨年からはかなり変わっているところがあるけれど、どういうわけか今シーズンの序盤戦は、路面のせいなのか何故なのかは分からないけれど、レースで最大限のパフォーマンスを発揮するのも簡単だったのに、今では複雑になっているようなんだ」

Maverick Vinales, Aprilia Racing Team

Maverick Vinales, Aprilia Racing Team

Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images

「予選ではとても速いし、スプリントでは守ることもできるけれど、決勝レースでは競うのが難しいんだ」

「だから、そのワケを理解する必要がある。序盤戦では決勝レースでもかなり競争力があったんだからね」

 ビニャーレスはイギリスGPの苦戦でアプリリアの目が覚めたと考えており、今週末のオーストリアGPが理解を深めていくための良いスタート地点になるだろうと語った。

「特に僕からしてみれば、競争力が下がっているように思う。それは僕が(アメリカズGPで)勝てていたからだし、ドゥカティの2024年型にも対抗できていたからだ」

「シルバーストンの一件はちょっとした目覚めになったのは確かだろう。なぜなら僕らが良い位置にいて然るべきレースだったのに、今シーズンで最悪のレースウィークのひとつだったからだ。だからこそ、僕らは理解を深めなくちゃいけない」

「オーストリアは、理解を深め始めていくための良いコースだと思う。皆が作業を進めているのはポジティブなことだし、シーズン序盤につけていたポジションに戻れる様頑張っているんだ」

Maverick Vinales, Aprilia Racing Team

Maverick Vinales, Aprilia Racing Team

Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images

 今シーズン、ミシュランは供給するタイヤの仕様を新しくしており、これは様々なコースでレコードラップが更新されていることの一因になっている。

 特にドゥカティのGP24はシーズンが進むごとにリヤタイヤからさらにパフォーマンスを引き出すことに成功している。しかしアプリリアはその点で苦戦しており、パフォーマンスの低下に繋がってしまっている。

 エスパルガロはアプリリアが前進しているにもかかわらず、ポールポジションを獲得したレースを結果につなげることができなかったことに、困惑していると語る。

「だからこそショックを受けているんだ。(ドゥカティの後塵を拝している)理由が分からないんだ」

「僕たちは速いし、バイクも競争力がある。でもバルセロナやシルバーストンのようなレースで彼らに匹敵できないのか、その理由が理解できていない。その2戦にしても僕が最も強いと感じていたのに、レースでは10秒差だ。理解するのが難しいよ」

「(イギリスGPで)僕は相当強かったし、スピードもかなりの速さだった。だけど最大限やって届くのが6位だったんだ。レースでも他のアプリリア勢、KTM勢、ヤマハやホンダよりずっと速かった。でも(トップからは)かなり離されていた」

「なにかひとつのことが違いを生み出しているわけではないと思うけれど、彼ら(ドゥカティ)は僕らよりもバイクを上手く減速させていて、タイヤを壊すことなく加速していくことができているみたいだ」

「僕らももう少しスロットルをうまく使わなくちゃいけない。ソフトタイヤを履いてポールポジションを獲るという時なら純粋なスピードは優れているんだけど、タイヤの消耗という面ではベストではない。レースでそこを合わせていくのは難しいだろう」

Additional reporting by German Garcia Casanova and Gerald Dirnbeck

 

前の記事 小椋を選んだトラックハウスはよくやった! エスパルガロ、若手より不振のベテランが起用されるなら「フェアじゃない」と異議
次の記事 中上貴晶「詳細は言えないがHRCから興味深いオファーが来ている」2024年がMotoGPラストシーズンの可能性も

Sign up for free

  • Get quick access to your favorite articles

  • Manage alerts on breaking news and favorite drivers

  • Make your voice heard with article commenting.

エディション

日本 日本