ビニャーレス、カタールGP初日でスタート練習に励む「集団に呑まれたら戦うのは大変」
ヤマハはMotoGP開幕戦カタールGPで好調な走りを見せているが、マーベリック・ビニャーレスはレースで集団に飲まれた場合には厳しいことになるだろうと考えている。


MotoGP2021年シーズンの開幕戦カタールGPがついに始まったが、ヤマハ勢は4名全員がトップ10に入るなど、順調な滑り出しを見せた。しかしマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)は、レースで集団に飲み込まれた場合には厳しいことになるだろうと予想している。
今季のMotoGPでは昨年から続く新型コロナウイルスの経済的な影響を鑑み、開発が一部凍結。コンセッション(優遇措置)の適用されないメーカーは2020年型エンジンを持ち越すことになった。
これはエンジンパワーで他に劣ってきたヤマハにとっては厳しいものだ。彼らはフェアリングを工夫することで最高速を改善しようとしているが、ドゥカティ勢との差は依然として大きな物が残っている。
開幕戦カタールGPの舞台となるロサイル・インターナショナル・サーキットには1kmのロングストレートが存在しているため、最高速の影響は大きい。初日フリー走行ではドゥカティが最高速で354km/hをマークする一方で、ヤマハのビニャーレスは最高速が346km/hとなっているのだ。
ビニャーレスも集団に飲み込まれないためか、セッション中にスタート練習を幾度も行なう姿が見られた。彼はスタートが改善してきていると感じているが、決勝までに一段の改善が必要だと認めている。
またヤマハにとっては、Moto2が使用しているダンロップタイヤのラバーが路面に載った際に苦戦する傾向があることも、レースに向けては不安材料と言える。
ビニャーレスにそうした問題は解決しているのかと尋ねたところ、彼は結論はまだ出せないとしながらも、初日の低グリップな状態でのペースは悪くないと語った。
「分からない。グリップの問題が解決したのかそれとも残っているのかを判断するのは時期尚早だ。それはレースで分かるものだからね」と、ビニャーレスは言う。
「ここがそれを確かめるのにベストなコースではないというのも確かだ。スタートで集団に捕まってしまえば、戦っていくのは大変だろうからね」
「でもどうにかしようと取り組んでいるんだ。2日目はオーバーテイクする余裕を持つためにもブレーキングを改善することが必要だ。でも全体としてはトラックは把握しているし、特に僕らがかなり速いセクター3や4はオーバーテイクができる部分だと思っている」
「そのために僕らは明日バイクのバランスを少し改善しないといけないし、改善できるだろう。今日はグリップが低かったけどタイムは悪くない。だからとてもいい感じだ」
今季からヤマハファクトリーチーム入りしたファビオ・クアルタラロは初日を総合3番手で終了。しかし最終セクターで苦戦しているようで、ヤマハの強みであるコーナースピードを活かせていないのだという。
「今日はテストとはコンディションが違っていて、力ずくで走る必要があった」
クアルタラロはそう語る。
「最終セクターが妙なんだ。前回のテストでは本当に速かったんだけどね」
「それからテストとの比較では失っている部分が多い。コーナースピードやコーナー出口の良い加速が無くなってしまった。ドゥカティのようなスタイルと同じようにする必要があるけど、僕らにはあのパワーやトップスピードは無い。それで最終セクターで0.25秒を失っているんだ」
「つまり最終セクターで何らかの改善が必要だということだ。最終セクターのコースコンディションが改善されることを願っているよ」
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